居酒屋の集客を考えるとき、「お客様が減ったから広告を出す」「宴会シーズンだけ宣伝する」「売上が戻ったら広告を止める」という、その場の状況に合わせた運用になっていないでしょうか。もちろん、空席を埋めるための短期的な施策も必要です。しかし、それだけではなく、日頃から地域のお客様にお店を知ってもらい、食事や飲み会の予定ができたときに思い出してもらえる状態をつくることも、集客の方針に組み込んでおきたいところです。

そこで基本にしたいのが、広告を一時的な販売促進ではなく、店舗を支える集客構造の一つとして扱う考え方です。最初から大きな予算を使う必要はありません。軸になるのは、売上が良いときも悪いときも、無理なく一年間続けられる金額を決め、その範囲で広告を運用し続けることです。

そのうえで、地域名を含む検索広告、店名で検索する人に向けた指名広告、商圏内のInstagram広告、Googleマップへの広告配信を組み合わせます。ただ広告を表示するのではなく、「何を食べたいときに選ぶ店なのか」「どのような時間を過ごしたいときに思い出す店なのか」を一貫して伝え、目先の予約獲得と、中長期的なブランド認知の両方を育てていくのです。

広告は、居酒屋の集客構造を支える一つの入口

居酒屋の集客を設計するときは、「お客様がどのような経路でお店を知り、何を確認して来店を決めるのか」を分けて考えると整理しやすくなります。たとえば、Instagramで料理の写真を見て店名を覚え、後日、飲み会の予定ができたときに店名を検索し、Googleマップで場所を確認して来店する、という流れを想定できます。

この場合、Instagram広告だけでも、検索広告だけでも、来店までの流れ全体を説明できません。「知ってもらう」「思い出してもらう」「比較してもらう」「予約や来店につなげる」という、それぞれの段階に役割があります。広告を考えるときも、単にどの媒体の予約単価が安いかを比べるだけではなく、どの段階を支える広告なのかを先に決めておきます。

広告は、料理や接客の代わりになるものではありません。お店の魅力が伝わる写真、分かりやすい料金、使いやすい予約導線、来店後の満足度と組み合わせて設計するものです。そのなかで広告には、地域のお客様との接点を継続的につくり、お店を選択肢に入れてもらう役割を持たせます。

広告を止めた影響は、その月の売上だけでは判断できない

継続的な広告の重要性を考えるうえで参考になるのが、Nicole Hartnettらによる広告停止の研究です。2021年に公表された研究では、オーストラリアの消費財カテゴリーにおいて、マスメディア広告を一年以上停止した57事例を分析しています。広告を出していた最後の年と比べた販売数量の平均変化は、停止一年後に16%減、二年後に25%減、三年後に36%減でした。広告停止後、時間の経過とともに販売が減少していく傾向が観察されています。(出典:Journal of Advertising Research)

ただし、この研究は日本の居酒屋や少額のInstagram広告を直接検証したものではありません。また、観察研究であるため、販売の変化を広告停止だけの影響と断定することもできません。「広告を止めれば、どの居酒屋でも必ず同じ割合で売上が下がる」という意味ではなく、広告を長期間停止することには、中長期的な販売低下のリスクがあると読み取るのが適切です。(出典:Ehrenberg-Bass Institute Q&A)

研究機関は、その背景として、広告による接触がなくなると、購買場面でブランドを思い出してもらうための記憶が更新されにくくなる点を挙げています。居酒屋への応用として考えるなら、「最近広告を見なくなったから、すぐに誰も来なくなる」というより、「飲みに行こうと思ったときに、お店を思い出す機会を少しずつ失っていくリスク」に目を向けることが重要です。(出典:エーレンバーグ・バス研究所)

だからこそ、広告を止めた直後に売上が変わらなかったとしても、それだけで広告が不要だったとは判断しないほうがよいでしょう。目の前の予約だけではなく、これから来店する可能性のある人との接点を維持することまで含めて、広告予算を考える必要があります。

マーケティングの手法

「エリア×〇〇」の検索広告で、店を探している人に接点をつくる

居酒屋の検索広告では、まず「エリア×居酒屋」を基本に、店舗の特徴や利用目的を掛け合わせたキーワードを検討します。「駅名×焼き鳥」「エリア名×個室居酒屋」「駅名×海鮮居酒屋」「エリア名×少人数宴会」など、実際に提供している料理や席、利用シーンに合わせて設計する方法です。

ここで意識したいのは、検索する人が求めている条件と、お店が提供できる内容を一致させることです。個室を探している人には、個室の写真や利用人数を見せる。宴会を探している人には、コース料金、人数、予約条件を伝える。焼き鳥を探している人には、看板メニューや調理のこだわりを見せる。広告文から予約ページまで、同じ期待に応える構成にします。

少額予算の場合は、最初から広い地域と大量のキーワードに配信するのではなく、商圏と店舗の強みに近い検索から始める方針がおすすめです。「どこにでもある居酒屋」として広く宣伝するより、「この地域で、この目的なら候補に入る店」として伝えることを優先します。

指名キーワードの広告で、店名を知っている人を迷わせない

次に検討したいのが、店名やブランド名に対する指名キーワードの広告です。ここには、「店名」「店名+予約」「店名+メニュー」「店名+アクセス」といった検索を想定します。

指名検索では、広告を通して何を案内するかを明確にしましょう。予約を希望する人には予約ページ、料理を確認したい人にはメニュー、場所を知りたい人にはアクセス情報というように、目的に合った情報へ進める設計にします。認知広告で店名を伝えた後、その店名を検索した人を受け止める入口として位置づけると、役割が分かりやすくなります。

ただし、指名広告から入った予約を、すべて広告が新しく生み出した予約と考えるのは避けたいところです。もともと来店するつもりだった人が、広告を経由した可能性もあるからです。自然検索での表示状況、競合広告の有無、公式サイトの分かりやすさなどを確認しながら、必要な範囲で予算を配分します。指名広告だけの予約単価が良いからといって、新しくお店を知ってもらう広告をすべて削る、という判断は避けます。

Instagram広告は、実際に来店できる範囲への認知づくりに使う

Instagram広告では、フィードとストーリーズを基本の配信面として、料理や店内の雰囲気が伝わる広告を用意します。ストーリーズ広告は、Instagramが提供する広告形式の一つであり、地域のお客様に向けた視覚的な訴求を考える際の選択肢になります。(出典:Meta ニュースルーム)

運用方針としては、遠方まで広く知らせることより、まず実際に来店しやすい範囲でお店を覚えてもらうことを重視します。近隣に住んでいる人だけではなく、周辺で働いている人、最寄り駅を利用する人なども想定しながら、商圏を考えましょう。

広告の内容も、単に料理の写真を載せるだけではなく、利用する場面まで伝えるようにします。たとえば、焼き鳥の写真に「仕事帰りに、炭火焼き鳥をひと皿」と添える。落ち着いた席の写真に「ゆっくり話したい夜の、少人数の集まりに」と添える。料理、店内、店名、場所を組み合わせ、そのお店を利用する理由が一つ伝わる広告にします。

すべての広告で、すぐに予約を求める必要はありません。「この駅の近くに、こういう店がある」と知ってもらう広告と、「コースや空席を確認して予約してもらう広告」を分けて考え、目的に合った見せ方を用意します。

Googleマップと連携した広告で、場所を起点とする店探しに対応する

Googleマップへの広告配信も、実店舗の集客で検討したい手法です。Googleの公式説明では、マップの検索広告を利用するには住所アセットを有効にする必要があり、プロモートピンではGoogleビジネスプロフィールとGoogle広告の連携が必要とされています。店舗の情報を広告に結びつけることで、所在地や連絡先、経路などを確認する接点をつくれます。(出典:Google広告ヘルプ)

そのため、広告を始める前に、Googleビジネスプロフィールの店名、住所、営業時間、電話番号、写真などを確認しておきましょう。広告で関心を持ってもらっても、営業時間が古かったり、店内の様子が分からなかったりすると、来店判断に必要な情報が不足します。Googleも、ローカル広告ではビジネスプロフィールの情報や画像が使われるため、最新で質の高い状態に保つことを推奨しています。(出典:Google広告ヘルプ)

なお、Googleマップと連携すれば必ず広告が表示されるわけではありません。また、現在のGoogleの案内では、Googleマップだけに限定した広告配信はできません。「マップ広告」という独立した枠に必ず一定額を使えると考えるのではなく、対応するGoogle広告のキャンペーンに店舗情報を連携させ、配信状況を確認する形で設計します。

四つの接点を組み合わせ、一つの経路だけに依存しない

ここまでの手法を整理すると、地域キーワードの検索広告は「その地域で店を探している人」、指名広告は「店名を知っている人」、Instagram広告は「これからお店を知ってもらいたい人」、マップへの広告配信は「場所を起点に店を探したり、来店方法を確認したりする人」との接点として考えられます。

このように役割を分けて組み合わせる目的は、一つの経路の好不調だけで集客全体が決まる状態を避けることです。ただし、媒体を増やせば自動的に成果が平均に収束し、売上が安定するわけではありません。似た顧客や同じ需要に依存する施策は、一緒に変動する可能性がありますし、地域検索・指名検索・マップはGoogleという同じ基盤に属する接点でもあります。

したがって、分散とは、単に広告メニューを増やすことではありません。「まだ知らない人への認知」と「すでに探している人への案内」を組み合わせ、さらに広告以外の集客経路も育てることです。予算も均等に分けるのではなく、それぞれの役割と店舗の状況に合わせて配分します。

ただ広告を出すのではなく、「何の店として覚えてもらうか」を決める

『ブランディング22の法則』に学ぶ、一つの言葉を所有する考え方

アル・ライズとローラ・ライズの『ブランディング22の法則』では、「The Law of the Word」として、消費者の頭の中で一つの言葉とブランドを強く結びつける考え方が示されています。伝えたい特徴をすべて並べるのではなく、ブランドを思い出す手がかりになる明確な言葉や意味を持たせる、という発想です。(出典:The 22 Immutable Laws of Branding)

これを居酒屋の広告に応用するなら、「このお店を何の店として覚えてもらいたいのか」を最初に決めます。「炭火焼き鳥」「少人数の個室」「旬の魚」「落ち着いた大人の居酒屋」など、実際の強みに合った軸を選ぶのです。

たとえば、炭火焼き鳥が看板の店なら、広告の中心にも炭火焼き鳥を置きます。焼いている様子、串の盛り合わせ、職人の手元、炭火焼き鳥を楽しむ席など、写真の切り口は変えても、伝える中心は変えません。「安い」「おしゃれ」「宴会」「海鮮」「焼き鳥」と毎回違う強みを主役にするより、まず覚えてもらう軸を絞る、という運用方針です。

ここでいう「一つの言葉」は、必ずしも広告を一単語だけにするという意味ではありません。お客様がその言葉や利用場面を思い浮かべたときに、店名も一緒に思い出せる状態を目指すことです。

ペルソナごとに入口を変え、ブランドの中心は変えない

ペルソナとは、広告で想定するお客様像です。ただし、居酒屋の広告では、年齢や職業だけで細かく分類するのではなく、「どのような場面で利用する人なのか」まで考えると、広告の内容を具体化しやすくなります。

たとえば、同じ炭火焼き鳥の店でも、仕事帰りに一人で立ち寄りたい人にはカウンター席と一皿の焼き鳥を見せ、友人と食事を楽しみたい人には料理を囲むテーブルを見せ、少人数の宴会を考える幹事にはコースと席の情報を見せます。それぞれの広告で伝える入口は違っても、中心には「炭火焼き鳥」という同じ強みを残します。

「仕事帰りに、炭火焼き鳥をひと皿」「週末は、炭火焼き鳥を囲んで」「少人数の集まりに、炭火焼き鳥のコース」といった具合です。これは、相手ごとに別のブランドになるのではなく、一つのブランドを、それぞれの利用場面に結びつける方法です。

広告制作では、店名、ロゴ、色使い、看板メニュー、中心となる言葉を共通要素として決めておきましょう。そのうえで、写真や利用シーン、季節の案内を変えていきます。「毎回同じ広告を放置する」のでも「毎回まったく違う店のように見せる」のでもなく、覚えてもらう要素を残しながら表現を更新するのです。

具体的な運用方法

一年を通して続けられる広告予算を、最初に決める

最初に決めたいのは、「今月はいくら使えるか」ではなく、「売上が想定より低い月があっても、一年間維持できる金額はいくらか」です。ここを決めずに始めると、売上が良いときだけ広告を増やし、悪くなったらすべて止める運用になりかねません。

たとえば、月額三万円を継続枠とするなら、年間の媒体費は三十六万円です。これは推奨予算や成果が出る最低額ではなく、継続可能性を考えるための例です。実際には、広告の運用費、写真や動画の制作費、予約ページの整備費なども含め、年間で必要になる総額を把握します。

そのうえで、「通年で維持する基本予算」と「繁忙期や特定の企画で追加する予算」を分けます。忘年会や歓送迎会などの訴求を強めるときに追加予算を使っても、そこで年間予算を使い切り、その後の認知広告が長期間なくなる設計にはしない、という考え方です。

重視したいのは、広告費の大きさではありません。無理なく継続できる金額のなかで、届ける地域と伝える内容を絞り、運用できる状態をつくることです。

商圏を決め、来店しやすい地域への配信を優先する

次に、店舗の商圏を定めます。徒歩圏を中心に考えるのか、最寄り駅の利用者まで広げるのか、沿線からの来店を想定するのか。既存のお客様の来店状況も参考にしながら、最初に広告を届けたい範囲を決めましょう。

Google広告では、市区町村や特定地点からの半径などによる地域指定が可能です。一方で、地域に実際にいる人だけでなく、その地域に関心を示している人を含む設定もあるため、地域名を指定するだけで終わらず、詳細設定まで確認する必要があります。また、Googleは地域判定の精度を100%保証しているわけではないため、配信結果を見ながら調整します。(出典:Google広告ヘルプ)

少額予算では、最初から広域への認知拡大を狙うより、優先する商圏で必要な接触を確保することから始めます。ただし、地域を絞ったうえで年齢や興味関心まで極端に細かく分けるなど、対象を狭めること自体が目的にならないようにします。

なお、酒類を訴求する広告では、日本の飲酒年齢を踏まえ、二十歳未満への飲酒訴求を避ける年齢設計と表現確認も必要です。国税庁も、酒類業界が二十歳未満の飲酒につながる広告・宣伝を行わないための自主基準を設けていることを案内しています。(出典:国税庁)

少額予算では、広告の役割を分けても構成を細分化しすぎない

集客経路を分散することと、管理画面で広告を細かく分割することは別です。限られた予算を多数のキャンペーンや広告セットに配ってしまうと、それぞれに使える金額が少なくなり、比較に必要な反応を集めにくくなります。

実務上の出発点としては、Google側で地域検索と店舗情報の連携を整え、Instagram側で商圏内の認知広告を動かすなど、まず大きな役割を分けます。そのなかで、指名検索への対応や利用シーン別の広告を、需要と予算に合わせて追加・整理していく方法が考えられます。

四つの接点を検討するからといって、予算を四等分する必要はありません。指名検索が少ない店舗なら指名広告に大きな予算は不要ですし、宴会予約を増やしたい店舗なら、その検索や予約導線を優先する判断もあります。入口は複数持ちながら、配分は目的に合わせて変えることが基本です。

広告から先の情報を整え、予約と来店を分けて記録する

広告を配信する前に、リンク先の情報も確認します。料理や席の写真、価格、コース内容、営業時間、アクセス、予約方法が分かるか。スマートフォンで確認しやすいか。予約ボタンが正しく動くか。広告で伝えた内容と、移動先のページに食い違いがないか。このような基本を整えておきましょう。

成果を記録するときも、「クリックされた」「電話ボタンが押された」「予約された」「実際に来店した」を一つの数字にまとめず、分けて扱います。Google広告のローカルアクションには、電話ボタンや経路案内ボタンのクリックなどが含まれますが、これらは実際の来店そのものを示す指標ではありません。(出典:Google広告ヘルプ)

たとえば、経路検索が増えていても、予約や来店が増えているかは別に確認します。予約数が増えていても、キャンセルが多いなら実来店人数を見る必要があります。店舗側では、新規客数、予約組数、来店人数、客単価、再来店など、把握できる範囲で記録を続けましょう。

広告管理画面の数字だけで完結させず、店舗の営業結果につなげて見ることが、予算配分を見直すための土台になります。

毎週は無駄を減らし、毎月は配分を見直し、数か月単位で傾向を見る

運用の確認は、短期と中長期に分けると整理しやすくなります。毎週は、想定外の地域への配信、店舗と関係のない検索、リンク切れ、予約ページの不具合などを確認し、明らかな無駄や問題を修正します。

毎月は、広告費に対してどのような反応があったかを整理します。検索からの予約を増やしたい広告と、地域での認知を広げたい広告では目的が違うため、同じ基準だけで評価しないようにします。認知広告では届いた人数や接触状況も確認し、予約目的の広告では予約や来店につながる行動を中心に確認する、という使い分けです。

そのうえで、数か月単位では、新規客数、指名での問い合わせ、予約、売上などの推移を見ます。ただし、変化をすべて広告の効果と決めつけず、季節、営業日数、価格変更、営業時間、店舗側の施策なども一緒に確認します。

「今週予約が少なかったから全部止める」のでも、「長期施策だから一年間何も見直さない」のでもありません。継続する方針を持ちながら、短期では無駄を減らし、中期では配分と表現を改善していきます。

広告全体を止める前に、予算・対象・内容を見直す

反応が弱い時期があっても、最初の選択肢を「広告を全部止める」にしないことが、継続的な集客構造をつくるうえで重要です。商圏が広すぎないか、店舗の強みと広告の内容が合っているか、料理の魅力が伝わっているか、予約までに迷う点がないかを順番に確認します。

来店につながる見込みが薄い配信を減らし、重要な地域や訴求に予算を寄せる。伝わりにくい写真やコピーを差し替える。継続枠は残しながら、追加予算を調整する。このように、広告との接点を維持する方法を先に考えます。

ただし、「基本は止めない」とは、効果のない広告を無条件に出し続けることではありません。個別の広告やキーワードは、検証結果に応じて停止して構いません。休業、受け入れ能力の不足、重大な資金繰りの問題などがある場合も、広告継続より事業の安全性を優先します。

守りたいのは、すべての広告設定ではなく、お客様との接点を継続的に持つという方針です。広告全体をゼロにする判断と、無駄な配信を止める判断は、別の問題として切り分けます。

広告を続けながら、広告以外の集客経路も育てていく

広告は集客構造の一つであり、広告だけですべてを解決する設計にはしないほうがよいでしょう。広告の基本構造ができたら、Googleビジネスプロフィールの情報整備、通常のSNS投稿、公式サイトのメニューや宴会ページ、来店後の再来店案内なども、店舗の運営余力に合わせて整えていきます。

たとえば、広告で使用した料理写真を通常投稿にも活用する。宴会の問い合わせでよく聞かれる内容を、予約ページに追記する。店内で喜ばれている看板料理を、広告の中心となる言葉に反映する。このように、広告と店舗運営、日常の情報発信を別々にせず、相互に改善材料として使います。

目指すのは、広告だけに依存することでも、広告を完全になくすことでもありません。広告で新しく知ってもらう入口を持ち、検索やマップで来店を検討しやすくし、店舗体験を次の来店につなげる。それぞれの経路が役割を持つ状態をつくることです。

まとめ:最小限でも接点を残し、続けながら改善する

居酒屋の広告運用で基本にしたいのは、売上が良い月だけ広告を出し、悪い月にはすべて止めるという運用から離れることです。最初に一年間続けられる予算を決め、その範囲で、地域検索、指名検索、Instagram、Googleマップへの広告配信を組み合わせます。

そして、ただ広告を流すのではなく、「何の店として覚えてもらうか」を決めることが重要です。ペルソナや利用シーンごとに写真や言葉の入口を変えても、店名と結びつけたい強みは一貫させます。「この地域で炭火焼き鳥ならこの店」「少人数で落ち着いて話すならこの店」というように、選ばれる場面と店名を結びつけていくのです。

効果が感じられる時期も、感じにくい時期も、まずは予算、対象、表現、予約導線を見直す。必要なら最小限まで絞っても、お客様との接点を残す方法を考える。広告を一時的な出費ではなく、継続して整える集客構造として扱うことが、目先の予約だけに左右されない居酒屋のマーケティングにつながります。

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