デービッド・アーカーのブランド理論から学ぶ、広告代理店の「保証付きブランド戦略」について書きます
みなさんこんにちは、広告代理店「でもやるんだよ!」のメルマガ運用担当です!
今回は、当社で検討している新しいブランド戦略についてお話しします。具体的には、「でもやるんだよ!」を信用の裏づけとなるブランドとして位置づけ、その保証付きブランドとして、Google広告やMeta広告の運用に特化したサービスブランドを作ろうと考えています。
「すでに広告代理店としてのブランドがあるのに、なぜ、わざわざ別のブランドを作るのか」と思われるかもしれません。今回の構想は、単にサービス名やロゴを増やしたいという話ではありません。お客様が広告の外注先を探すときの条件に合わせて、当社を見つけてもらう入口と、選んでいただく理由を、もっと分かりやすく作れないかという話です。
その考え方を整理するうえで参考になったのが、デービッド・アーカーの「エンドーサー」「保証付きブランド」というブランド理論でした。少し専門的な言葉も出てきますが、星野リゾートと「OMO」の関係を例にしながら、当社でどのように活用しようとしているのかをご紹介します。
01この記事の要約
当社では、お客様が広告の外注先を探すときに、「媒体×代理店」という条件で候補を探し、「媒体×実績」という条件で比較検討しているのではないかと仮説を立てています。その探し方に合わせて、Google広告やMeta広告の運用に特化したブランドを作り、媒体ごとの専門性や実績を伝えることで、集客につなげたいと考えています。
一方、「でもやるんだよ!」は、より上流の広告プランニングや全体設計から相談できるブランドへ育てていく予定です。そして、専門ブランドの背後に「でもやるんだよ!」の名前を添えることで、それぞれのサービスが掲げる約束を信用の面から支える。この記事では、その集客上の仮説、アーカーのブランド理論、OMOの事例、当社での具体的な役割分担の順に説明します。
なお、ここでいう「保証」は、広告成果の確約や返金を意味するものではありません。別のブランドが、そのサービスの約束に信用を与えるという意味であり、損失を埋め合わせる「補償」とは異なります。
02なぜ、Google広告やMeta広告の専門ブランドを作ろうと思っているのか
「媒体×代理店」という、具体的な依頼内容から始まる探し方
一つ目の仮説は、お客様が必ずしも「自社のマーケティング全体を支援してくれる会社」という大きな括りで外注先を探しているわけではない、というものです。「Google広告の代理店」「Meta広告の運用代行」といった、媒体単位の具体的な条件から探している人もいるのではないかと考えています。
たとえば、社内ですでにGoogle広告を実施することが決まっていて、運用を任せる会社を探している。あるいは、Meta広告を配信しているものの、今の運用を見直したくて、別の依頼先を探している。そうした状況を想定すると、最初に知りたいことは、「この会社はマーケティング全体に対応できるか」よりも、「今、相談したい媒体について、何をどこまで任せられるのか」ではないでしょうか。
もちろん、これは広告全体の設計が不要だという意味ではありません。相談を進めるなかで、媒体の運用だけでなく、商品、訴求、クリエイティブ、LP、問い合わせ後の対応まで考える必要が出てくるかもしれません。ただ、外注先を探し始めた時点で、お客様が認識している課題や、検索するときに使う言葉は、もっと具体的なのではないかということです。
こちらが提供できるサービスの全体像と、お客様が最初に探している仕事の単位は、必ずしも一致しません。そこをこちらの都合で無理に一致させようとするよりも、まずはお客様の探し方に合わせて、分かりやすい入口を用意したいと考えています。
Google広告を任せたい方には、Google広告の運用方針、支援範囲、実績、相談できる内容がまとまって伝わる。Meta広告を任せたい方には、Meta広告について同じことが伝わる。その入口を、単なる対応媒体の紹介ページではなく、専門性を持つブランドとして育てられないか、という発想です。
「媒体×実績」という、自社に近い経験を探す見方
もう一つの仮説は、お客様が「その媒体に対応しているか」だけでなく、「その媒体で、どのような実績があるのか」を見ているのではないか、というものです。
たとえば、「Google広告を運用できる会社を探している」という条件から始まり、その次に「BtoBの問い合わせ獲得に取り組んだ経験はあるか」「自社に近い商材を扱ったことがあるか」といった確認が続くイメージです。Meta広告であれば、「ECの売上改善に取り組んだ事例があるか」「クリエイティブの制作や改善まで相談できるか」といった見方も考えられます。
この仮説に立つと、「広告運用の実績が豊富です」という説明だけでは、まだ少し大きすぎるのかもしれません。どの媒体で、どのような事業を支援し、何を課題として、どのような改善を行ったのか。その情報が、自社の相談したい内容と結びついて初めて、依頼先を選ぶ材料になるのではないかと思っています。
つまり、「媒体×代理店」が候補に入るための条件だとすれば、「媒体×実績」は、その候補のなかから選ばれるための材料になるのではないかということです。
だからこそ、媒体ごとの専門ブランドのなかに、その媒体に関する知見や実績を蓄積していきたいと考えています。「Google広告に対応している会社」ではなく、「Google広告について、このような課題を考え、このような支援をしているブランド」として理解してもらいたいわけです。
ここまでの話は、現時点では仮説です。検索需要や問い合わせ率、成約率まで検証できた結論として書いているわけではありません。ただ、お客様の探し方と当社の伝え方を近づけるために、取り組む価値があると考えています。
03説明が遅れましたが、「エンドーサー」「保証付きブランド」とは何か
個別ブランドの独自性を残しながら、別のブランドが信用を支える
ここまで当社の構想から先に書いてしまったので、前提となる用語を整理します。
デービッド・アーカーとエーリッヒ・ヨアヒムスターラーは、ブランド同士の役割や関係を設計する考え方として、「ブランド・リレーションシップ・スペクトラム」を示しています。これは、一つのブランドをどう強くするかだけでなく、複数のブランドを持つ場合に、それぞれにどのような役割を持たせ、どのような関係にするかを考えるものです。(California Management Review)
そのなかで、今回参考にしているのが「保証付きブランド」です。これは、個別ブランドが独自の特徴やイメージを持ちながら、別のブランドによって信用を裏づけられる構造です。保証される側は、保証する側と無関係ではありませんが、すべてを同じイメージに統一する必要はなく、独自の提供価値や個性を育てる余地があります。
そして、この信用を裏づける側を「エンドーサー」と呼びます。今回の当社の構想では、「でもやるんだよ!」がエンドーサーであり、Google広告やMeta広告の運用に特化した新しいサービスブランドが、保証付きブランドに当たります。
ここで大切なのは、保証付きブランドが、単なる別名ではないという点です。名前だけ変えて、中身も説明も同じにするのではなく、個別ブランドとして「誰の、どのような課題に応えるのか」を明確にする。そのうえで、背後にあるブランドとの関係から信用を得る、という役割分担を目指します。
なお、今回信用を裏づけるのは、あくまで当社の「でもやるんだよ!」です。GoogleやMetaによる公式の保証、推薦、認定を意味するものではありません。また、Google広告やMeta広告そのものを当社のブランドにするのではなく、それぞれの媒体の運用を支援するサービスブランドを作るという意味です。
「選ぶ理由になるブランド」と「安心を支えるブランド」は役割が違う
もう一つ、押さえておきたい言葉が「ドライバー」です。ドライバーは、顧客が商品やサービスを選ぶ際に、購買を動かす主役となるブランドです。一方、エンドーサーの基本的な役割は、そのブランドが掲げる約束への信頼性を与えることです。ただし、エンドーサーの力が強ければ、その存在自体が選択を後押しし、「小さなドライバー」として働く場合もあります。
当社の構想に置き換えると、まずは「Google広告について相談したいので、この専門ブランドを選ぶ」という状態を作りたいと考えています。そのうえで、「運営しているのは『でもやるんだよ!』なのか。それなら、どのような考え方で支援してくれるのかも理解できる」と感じてもらえれば、エンドーサーが信用を支える関係になります。
個別ブランドには、「何を任せられるのか」を分かりやすく伝える役割がある。その背後にある「でもやるんだよ!」には、「なぜ、その約束を信頼してよいのか」を支える役割がある。私たちは、この違いを意識してブランドを設計したいと思っています。
もちろん、「でもやるんだよ!」を知らない方にとっては、名前を添えるだけで安心につながるわけではありません。だからこそ、運営する側の考え方、支援体制、過去の取り組みなども、きちんと確認できるようにする必要があります。信用を借りる構造を作ることと、実際に信用されることは別なので、その中身も同時に育てていきたいと考えています。
04参考にしているのは、「OMO」と「星野リゾート」の関係です
OMOを主役にしながら、星野リゾートとのつながりを伝える
この構造を考えるうえで参考にしているのが、都市観光ホテルブランド「OMO」と星野リゾートの関係です。公式のロゴを見ると、「OMO」が大きく表示され、その隣に「by 星野リゾート」が小さく添えられています。個別ブランドを前面に出しながら、星野リゾートによるブランドであることも伝わる見せ方です。
OMOが打ち出しているのは、街を楽しむことを中心にした宿泊体験です。公式サイトでも、地域を知るスタッフによる街の楽しみ方の提案や、街の魅力との出会いを重視しています。宿泊する部屋だけでなく、その街をどう楽しむかまで含めて、OMOとしての価値を伝えているわけです。(星野リゾート)
この見せ方をアーカーの理論に当てはめると、私たちは、「OMOならではの体験」を主役にしながら、その体験への期待を星野リゾートの信用で支える関係として捉えられると考えています。これは公開されているブランドの見せ方をもとにした私たちなりの解釈ですが、個別ブランドの独自性と、組織ブランドの信用を両立させる例として参考になります。
たとえば、「街を歩いて、その土地を楽しむ旅をしたい」という人を想定すると、その人に最初に伝えたいのは、OMOでどのような体験ができるのかということです。そのうえで、星野リゾートとの関係を知ることで、「その運営主体が提供する体験なら期待できそうだ」と感じてもらえる可能性がある。個別の魅力を伝えることと、安心して選んでもらうことを、異なるブランドの役割として整理できるわけです。
信用を共有することと、同じ体験を約束することは別
ここで整理しておきたいのは、「星野リゾート」と「星のや」を同じものとして扱わないことです。星野リゾートは複数の宿泊ブランドを展開しており、そのなかにラグジュアリーの「星のや」、温泉旅館の「界」、シティホテルの「OMO」などが位置づけられています。組織全体を表すブランドと、個別の宿泊体験を表すブランドは、分けて考える必要があります。(星野リゾート)
この区別を踏まえると、参考にしたいのは「高級な宿泊体験を、そのまま別のホテルにも当てはめる」ということではありません。星のやに期待する体験と、OMOに期待する体験をそれぞれ説明しながら、運営する組織への信用は共有する、という考え方です。
私たちは、ここに保証付きブランド戦略の重要な意味があると考えています。ブランドごとの約束を分ければ、「同じ運営主体なのだから、すべて同じサービスや体験であるはずだ」という混同を抑えやすくなるのではないか。一方で、運営主体との関係を完全に隠さなくてもよく、その信用を個別ブランドに生かす余地があるということです。
ただし、「別ブランドにすれば、既存ブランドが絶対に傷つかない」という意味ではありません。関係を示している以上、よい評価が組織全体に返ってくる可能性だけでなく、悪い体験が組織全体への評価に影響する可能性も考えておくべきです。ロゴを小さくすれば、その影響を完全に切り離せるわけではないと思っています。
参考にしたいのは、ブランド毀損を必ず防げる方法ではなく、期待される価値を分け、混同を抑えながら、共有できる信用は活用するという設計です。「同じ信用を使いながら、同じ体験を約束しない」という考え方は、広告代理店のサービス設計にも応用できるのではないかと感じています。
05当社では、「でもやるんだよ!」と専門ブランドの役割を分けていきます
「でもやるんだよ!」は、より上流の広告プランニングから相談できるブランドへ
当社では今後、「でもやるんだよ!」を、より上流から広告を考えるブランドとして育てていきたいと思っています。
具体的には、どの媒体を使うかを決める前に、誰に何を届けるのかを考える。事業の課題を整理し、顧客像や訴求を考え、広告にどのような役割を持たせるのかを決める。必要に応じて、LPやクリエイティブ、問い合わせ後の対応とのつながりまで含めて、広告プランニングを行う。そうした全体の相談を受けるブランドとして、位置づけを明確にしていく構想です。
たとえば、「Google広告を始めたい」という相談だけでなく、「そもそも、どの媒体に予算を配分するべきか」「今の広告のどこに課題があるのか」「集客から受注までの流れをどう設計するか」といった相談にも応える。そのための考え方や支援内容を、「でもやるんだよ!」のブランドで発信していきたいと考えています。
これは、媒体の運用をやめて、提案だけを行うブランドにするという意味ではありません。実行と切り離された上流支援ではなく、運用や改善につながる設計を考える。そのうえで、お客様に最初に伝える役割として、「広告全体を、何から考えればよいか相談できるブランド」を育てたいということです。
Google広告・Meta広告の専門ブランドは、相談内容を具体的にする
一方、Google広告の運用に特化したブランドでは、「Google広告について、具体的に何を任せられるのか」を分かりやすく伝えていきます。Meta広告の運用に特化したブランドでは、「Meta広告のどのような課題を相談できるのか」を中心に伝えていく予定です。
それぞれのブランドのなかで、相談できる内容、支援範囲、進め方、知見、実績を整理する。その媒体について調べている方が、知りたい情報にたどり着きやすく、自社の依頼内容との相性も判断しやすい状態を目指します。
構造としては、独自の名称を持つGoogle広告運用の専門ブランドがあり、その背後に「by でもやるんだよ!」がある。Meta広告運用の専門ブランドにも、同じように「でもやるんだよ!」が信用を与える。ブランド名や具体的な表示方法はこれからですが、目指している関係はそういうものです。
ここで誤解されたくないのは、全体設計を行うブランドのほうが上で、媒体運用の専門ブランドはその下位にある、という話ではないことです。全体設計と個別媒体の運用は、担当する課題が違うのであって、品質に上下をつけたいわけではありません。
Google広告の運用をきちんと任せたい方には、その相談に正面から応える。広告全体を見直したい方には、その相談に応える。媒体の運用を依頼したい方に、必ず大きな契約を提案するための入口を作りたいわけでもありません。
相談の入口は具体的にし、必要な支援には広くつなげられるようにする。 そのために、ブランドごとの役割を整理したいと考えています。
06専門性と実績を積み上げて、集客とブランディングをつなげる
「専門です」と名乗るだけではなく、選ぶ材料を増やしていく
専門ブランドを作る際に重視したいのが、その言葉を裏づける情報です。「Google広告に特化しています」「Meta広告が得意です」と名乗ること自体が目的ではありません。お客様が専門性を判断できる材料を、ブランドのなかに積み上げていきたいと考えています。
たとえば、どのような事業で、どのような課題があり、何を優先して改善したのか。成果を紹介できる場合にも、数字だけを大きく見せるのではなく、施策の背景や条件、担当した範囲を、公開できる範囲で説明する。依頼を検討している方が、「自社の状況にも関係がありそうだ」と判断できる情報を増やしたいということです。
また、実績だけでなく、日々の運用でどのようなことを考えているのか、どのように課題を整理するのかといった知見も発信していく予定です。依頼する前に、支援の考え方や説明の仕方に触れてもらうことで、相談先としての相性も伝えられるのではないかと考えています。
これは、「媒体×業界×商材」の組み合わせごとに、際限なくブランドを作るという意味ではありません。まずは媒体を軸に専門ブランドを作り、そのなかで業界や課題別に知見と実績を整理するほうが、今回の構想には合っていると考えています。
なお、新ブランドの立ち上げ前に当社が担当した案件を紹介する場合には、当社の過去の支援実績として、時期や担当範囲を明確にしたいと思っています。名前を新しくしたからといって、そのブランドとして長年実績を積んできたように見せる必要はありません。
検索、広告、ブログ、SNSなどから専門ブランドを知ってもらい、具体的な知見や実績に触れてもらう。そのうえで、運営する「でもやるんだよ!」の考え方も知ってもらう。そうした流れを作ることで、集客とブランディングを別々に進めるのではなく、相互につながる活動にしていきたいと考えています。
専門ブランドで得た信用を、「でもやるんだよ!」にも返していく
アーカーの説明では、保証する側から個別ブランドに信用を与えるだけでなく、個別ブランドの魅力や成功が、保証する側のイメージを高める方向も示されています。ブランド間の影響は、一方向だけではありません。
当社でも、Google広告やMeta広告の専門ブランドで積み重ねた評価が、「でもやるんだよ!」全体の信用につながる状態を目指したいと思っています。
たとえば、専門ブランドの仕事を通じて、「この会社は課題の整理が丁寧だ」「改善の理由を分かりやすく説明してくれる」「任せられる範囲が明確だ」と感じていただけたとします。その体験が、運営する「でもやるんだよ!」への理解につながれば、専門ブランドが組織全体の信用を育てる役割も果たせるはずです。
そのためには、媒体ごとにサービスの内容が違っても、支援の根幹にある姿勢は共通させたいと考えています。課題の捉え方、成果指標の考え方、改善の優先順位、運用状況の説明、できることとできないことの伝え方など、「この会社は、どういう考え方で仕事をするのか」という部分には、一貫性を持たせたいです。
「でもやるんだよ!」の名前を添えることは、単に既存ブランドの名前を使うことではありません。「この専門ブランドも、私たちの考え方と支援基準に基づいて運営する」という意思表示にしたいと思っています。
既存ブランドの信用を使って新しいブランドを立ち上げ、その新しいブランドの仕事によって、既存ブランドにも信用を返していく。そこまで含めて、ブランド同士の関係を育てていきたいと考えています。
07増やしたいのは、ブランドの数ではなく「選ばれる理由」です
小さくロゴを添えるだけでは、今回の構想は完成しない
OMOの見せ方を参考にすると、「専門ブランドのロゴの横に、小さく『でもやるんだよ!』を入れれば完成」と考えたくなります。ただ、それだけでは十分ではないと思っています。
私たちが設計したいのは、ロゴ同士の配置だけでなく、お客様に対して約束する内容の関係です。Google広告の専門ブランドは、何について頼れる存在なのか。Meta広告の専門ブランドは、どのような相談に応えるのか。そして、それらを保証する「でもやるんだよ!」は、何を共通して支えるのか。この部分が曖昧なままでは、名前を分ける意味が弱くなってしまいます。
また、ブランドを分けるからといって、無関係な会社がそれぞれ運営しているように見せるつもりもありません。運営主体、相談窓口、支援体制は分かるようにしたうえで、それぞれが提供する価値を分ける。独自性を持たせることと、運営元を隠すことは別だと考えています。
お客様には、専門ブランドとしての分かりやすさと、運営元まで確認できる安心感の両方を提供したい。そのためにも、見た目だけでなく、説明する情報や実際の支援まで含めて整えていく必要があります。
ブランドを分ける意味があるかは、実際の反応を見て検証する
ここまで書いてきましたが、「ブランドを分ければ集客がうまくいく」と決めつけているわけではありません。既存サイトのなかで、媒体ごとのサービスページを充実させるだけでも、お客様に十分伝わる可能性はあります。
別ブランドにすることで、かえって名前を覚えてもらう負担が増えるかもしれません。それぞれの情報発信や品質管理にも工数がかかります。ブランドを作ること自体に満足せず、独立したブランドとして育てる意味が本当にあるのかは、見ていく必要があると思っています。
具体的には、お客様が支援内容を理解しやすくなったか、相談したい課題が明確になったか、問い合わせから商談や受注につながる過程に違いが出たかを確認していきたいと考えています。問い合わせの件数だけでなく、期待されている内容と、当社が提供できる支援が合っているかも大切にしたいところです。
今回の構想は、ブランドを増やすことが目的ではありません。お客様が探している相談先として見つけてもらい、何を任せられるのかを理解していただき、選ぶ理由を持ってもらうことが目的です。
その目的に対して、専門ブランドと「でもやるんだよ!」の役割分担が有効なのか。実際の反応を見ながら、マーケティングとブランディングを進めていこうと思っています。
08まとめ:専門性は個別ブランドで伝え、信用は「でもやるんだよ!」で支える
今回、アーカーのブランド理論から学んだのは、すべてを一つの名前にまとめることと、すべてを別々にすることの間に、設計できる余地があるということです。専門性を明確にしたいからといって、これまでの信用を手放す必要はありません。一方で、これまでの信用を使いたいからといって、すべてを同じ見せ方にする必要もないと理解しました。
当社では、「媒体×代理店」「媒体×実績」という探し方に合わせて、Google広告やMeta広告の運用に特化したブランドを育てていく予定です。その背後には「でもやるんだよ!」があり、共通する支援の考え方や信用を支える。そして「でもやるんだよ!」自体は、より上流の広告プランニングや全体設計から相談できるブランドへ育てていきたいと考えています。
Google広告について具体的に相談したい方には、Google広告の専門ブランドから。Meta広告について相談したい方には、Meta広告の専門ブランドから。広告の使い方そのものや全体の設計から相談したい方には、「でもやるんだよ!」から。それぞれに分かりやすい入口を用意しながら、背後にある支援の考え方と信用は共有する。
専門性は個別ブランドで伝える。信用は「でもやるんだよ!」で支える。そして、それぞれの仕事を通じて、両方のブランドを育てていく。
今、当社が取り組もうとしている「保証付きブランド戦略」は、そういう構想です。ブランドの数ではなく、お客様にとっての分かりやすさと、選んでいただける理由を増やすために、形にしていこうと思っています。