【CVR VS IMP】しょうもないPVはいらない。でも、結局マーケは認知が一丁目一番地——不動産の買取集客で見えたこと

広告運用の話をしていると「CVR」「IMP」という言葉がよく出てきます。CVRはクリックした人のうち何%が問い合わせなどの成果(コンバージョン)に至ったかを示す指標、IMPは広告が画面に表示された回数(インプレッション)のことです。この2つは対立するものではなく、掛け算の関係にあります。この記事では、不動産の買取集客案件でリスティング広告・Meta広告・Googleの動画広告を実際に試して見えてきたことをもとに、「結局マーケティングは認知が一丁目一番地だ」という話をします。

01認知されなければ、比較の土俵にも上がれない

みなさんこんにちわ!運用型の広告代理店「でもやるんだよ」です。広告運用をしていると、どうしてもCPAやCVRの話が中心になります。何件問い合わせが入ったのか。クリックした人のうち何%がコンバージョンしたのか。広告費に対して、どれだけ成果が返ってきたのか。もちろん、全部大事です。

ただ、最近あらためて思ったのが、結局マーケティングは認知が一丁目一番地だよなということです。しょうもないPVやインプレッションだけを集めても仕方ありません。誰も読まない記事にアクセスだけを集めたり、興味のない人に広告を大量表示したりしても、売上にはつながらないからです。

一方で、そもそも知られていなければ、比較の候補にも入りません。比較されなければ検索もされず、検索されなければ問い合わせも発生しません。マーケティング学者のフィリップ・コトラーは、著書『マーケティング4.0』の中で、顧客行動をAware(認知)、Appeal(訴求)、Ask(調査)、Act(行動)、Advocate(推奨)の「5A」で整理しています。その最初に置かれているのが、Aware、つまり認知です。

認知だけで売上が生まれるわけではありません。ただ、認知されなければ、その後の行動——比較され、調べられ、問い合わせが来るという一連の流れ——は何も始まりません。

02CVR VS IMPという考え方

広告運用では、CVRを上げることが正義とされがちです。しかし、どれだけCVRが高くても、広告がほとんど表示されていなければ、コンバージョンの総数は増えません。反対に、インプレッションが多くても、誰にもクリックされず、問い合わせにもつながらなければ意味がありません。

広告成果の基本構造
CV = IMP × CTR × CVR

だから、自分の中では最近、CVR VS IMPという見方をしています。厳密には、どちらかを選ぶ話ではなく、転換率(CVR)と接触量(IMP)の掛け算です。CVRだけを追いかけて母数のIMPが小さいままでは、成果の総数は頭打ちになります。逆に、IMPだけを追いかけてCVRが伴わなければ、広告費が消化されるだけで終わります。

03不動産の買取集客で、3種類の広告を試した

今回、ある不動産の買取集客案件で、Googleのリスティング広告、Meta広告、Googleの動画広告を試しました。具体的な予算や件数はNDAに配慮して伏せますが、媒体ごとの傾向はかなりはっきり分かれました。

META ADS
CVRがついてこないなら、CPCが高ければ意味がない

Meta広告はインプレッションを広く獲得できました。ただ、今回の配信ではコンバージョンがついてきませんでした。さらに、検索広告と動画広告を合算したGoogle広告全体と比べても、CPCが極端に安いわけではありませんでした。

認知目的で使うなら、認知目的と割り切る。獲得目的で使うなら、クリック後のCVRまで見る。役割が曖昧なまま、インプレッションだけが増えている状態が一番よくありません。

GOOGLE VIDEO ADS
CPCがかなり安く、認知から成果までつながった

一方で、面白かったのがGoogleの動画広告でした。一般的には認知施策として扱われやすい媒体ですが、今回はかなり安いCPCで接点を作りながら、その先の成果にもつながりました。

単に安いインプレッションを買えたのではありません。安く表示し、安くクリックを集め、問い合わせまで進んだ。認知と獲得が分断されず、一つの流れとして機能しました。

もちろん、今回の結果だけで「Meta広告が悪い」「動画広告なら必ず勝てる」とは言えません。商材、ターゲット、訴求、クリエイティブ、配信設計によって結果は変わります。それでも、媒体ごとの役割を分けて評価する必要があるという点は、どの案件でも共通する視点です。

04検索していない人にも、悩みはある

不動産の買取は、毎日検索されるような商材ではありません。売却や整理について悩んでいても、全員がすぐに検索するわけではありません。悩みはあるけれど、まだ行動していない。そうした人に動画で状況を見せることで、「これは自分のことかもしれない」と気づいてもらえます。

検索広告は、すでに顕在化した需要を回収できます。動画広告は、検索の手前にいる人に悩みを自覚してもらい、需要を顕在化させられる可能性があります。

  • 検索広告:すでに「知りたい」「探している」状態の需要を回収する
  • 動画広告:悩みはあるがまだ検索していない層に気づきを与え、需要を顕在化させる

この2つは競合するものではなく、役割分担です。検索広告だけでは拾えない層に接点を作れるかどうかが、認知施策の価値になります。

05まとめ:しょうもないIMPはいらない。でも、IMPがなければ何も始まらない

大事なのは、インプレッションの数ではありません。そのインプレッションが、次の行動につながったかどうかです。検索広告で今ある需要を回収しながら、動画広告などで新しい接点を作る。認知してもらい、興味を持ってもらい、必要になったタイミングで思い出してもらう。結局、マーケティングはこの流れを作る仕事です。

CVRを改善するのは二丁目以降の話です。まず一丁目で認知されなければ、マーケティングは何も始まりません。

今回の不動産買取集客のように、媒体ごとにCPC・CVR・役割を切り分けて評価すると、「安く配信できているか」だけでなく「その安さが成果につながっているか」まで見えてきます。CVR VS IMPという視点を持つことが、広告予算の配分を見直す第一歩になります。

FAQよくある質問

Q1. 広告運用では、CVRとIMP(インプレッション)のどちらを優先すべきですか?

どちらかを選ぶ話ではありません。コンバージョン数はIMP×CTR×CVRの掛け算で決まるため、CVRだけを追ってもIMP(接触量)が足りなければ成果の総数は増えません。まず自社の課題がどちらのボトルネックにあるかを切り分けることが先決です。

Q2. Meta広告と動画広告、不動産の買取集客に向いているのはどちらですか?

今回の案件ではGoogleの動画広告の方がCPCが安く、認知から成果までつながりました。ただし商材やターゲット、クリエイティブによって結果は変わるため、この結果だけで一律にどちらが優れているとは言えません。自社の商材で両方を試し、役割を分けて評価する必要があります。

Q3. コトラーの『マーケティング4.0』の5Aとは何ですか?

顧客が製品やサービスを認知してから推奨に至るまでの行動を、Aware(認知)、Appeal(訴求)、Ask(調査)、Act(行動)、Advocate(推奨)の5段階で整理したモデルです。すべての行動はAware、つまり認知から始まるとされています。

Q4. 検索広告と動画広告は、どう使い分ければいいですか?

検索広告はすでに顕在化した需要を回収するのに向いています。一方、動画広告は検索する手前にいる潜在層に悩みを自覚してもらい、需要そのものを顕在化させる役割を担えます。両方を組み合わせることで、既存需要の回収と新規接点の創出を同時に進められます。

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