なぜLINE配信が大切なのか
定期的にLINE配信した方が良い理由
LINE公式アカウントの配信は、送った直後の売上で評価すると、ほぼ確実に「やめたほうがいい施策」に見えます。配信するたびにブロックが増え、売上はそれほど動かない。それでも当社は、配信を止めずに定期的に送り続けることを勧めています。この記事では、その根拠を、当社が広告運用を担当しているECで起きた「休眠顧客2,000人にクーポンを3回送って購入0件」という結果から説明します。メールで起きたことですが、LINEにそのまま当てはまる話です。
2026.11.05
01 休眠顧客にクーポンを3回送って、購入は0件だった
当社が広告運用を担当しているジュエリーECで、今年の秋にこんな実験がありました。長く購入のないお客様、約2,000人に、1,000円オフのクーポンを付けたメールを3回送る。狙いは休眠顧客の掘り起こしです。結果は購入0件でした。
ところが同じ月、同じ店で、別の配信は売上を作っています。11月と12月が誕生日のお客様に毎年送っている誕生日クーポンからは1件で12万円の購入があり、1粒ダイヤモンドのピアスを紹介した通常の配信からも、広告が伸びなかった月の売上を補う注文が入りました。
| 配信 | 対象 | 結果 |
|---|---|---|
| 1,000円オフのクーポン×3回 | 休眠顧客 約2,000人 | 購入0件。開封率は35%前後 |
| 誕生日クーポン | 11月・12月が誕生日の顧客 | 1件で12万円の購入 |
| 商品1点の紹介 | 登録者全体 | 広告が不調な月の売上を補った |
同じ店、同じ月、同じ値引き額でも、結果がここまで分かれます。違いは「相手に買う理由がある日に届いたか」だけでした。この差が、LINE配信の役割を考えるときの出発点になります。
02 配信で需要は作れない。できるのは「思い出される位置」に居ること
休眠顧客にクーポンが効かなかったのは、値引きが小さかったからではありません。2年前にネックレスを買った人が、今日ジュエリーを欲しがっている確率はとても低い。欲しくない人に値引きを見せても、「安いけど今は要らない」で終わります。値引きは買う気のある人の背中を押せますが、買う気そのものは作れません。
では配信は何のためにあるのか。お客様の側に需要が生まれた瞬間に、一番先に思い出してもらうためです。プレゼントを探し始めた日、ボーナスが出た日、友人の結婚式が決まった日。その瞬間に「あの店からLINEが来ていたな」と思い出してもらえれば、検索して競合に流れる前に自店へ戻ってきます。
配信は「売る」動作ではなく「順番待ちの一番前に居続ける」動作です。いつ呼ばれるかは相手が決めるので、こちらでできるのは、呼ばれる日に目の前に居ることだけです。
当社は法人向けの事業でも定期的に配信をしていますが、発注が来るのは配信の直後ではなく、相手にニーズが生まれた日の近くです。見た時点では用が無くても、必要になった日に「そういえば」と連絡が来る。LINEの配信も同じ動き方をします。
03 LINEがメールより向いている3つの場面
「思い出してもらう」役割はメールでも果たせます。それでも当社がLINEを勧める場面が3つあります。
届いたことに気づいてもらいたいとき
メールは受信箱の中で、他社の案内や通知に埋まります。開かれるまでに時間がかかり、開かれないまま流れることも多い。LINEはスマートフォンの通知として届き、トーク一覧の上に来ます。「届いた」と認識されるまでの距離が短いので、欲しくなった日に思い出してもらうという目的に合っています。
見てから買うまでの手数を減らしたいとき
LINEのメッセージからは、タップひとつで商品ページや店の予約画面に移れます。カードタイプのメッセージなら、商品写真と価格とボタンを1画面に収められる。メールのように本文を開いてリンクを探す手順が無いので、「気になったけど面倒で閉じた」が減ります。
登録の障壁を下げたいとき
メールアドレスの入力は、店頭でもサイトでも面倒がられます。LINEの友だち追加は、QRコードを読むか、ボタンを1回押すだけ。店頭、商品の同梱物、サイトのバナー、どこからでも追加できるので、配信先の人数を増やしやすい。配信は届く人数が土台になるので、この差は大きいです。
逆に、長い文章や複数の商品を比べて見せたいときはメールのほうが向いています。LINEは1配信1テーマで短く見せる媒体だと考えてください。
04 定期的に配信し続けるべき4つの理由
①需要が生まれる日に当たる確率を上げるため
お客様の需要がいつ生まれるかは分かりません。配信の間隔が空くほど、その日の直近に自店の配信が届いている確率は下がります。月に1回では、欲しくなった日に思い出してもらえる確率は低い。ある程度の頻度で送り続けることが、そのまま確率の底上げになります。
②広告が不調な月の売上を支えるため
先ほどのジュエリーECでは、11月に入って指名検索の広告が急に取れなくなり、広告経由の売上が落ちました。それでも店全体の売上は大きく崩れていません。差を埋めたのが、既存のお客様への配信でした。広告は媒体の変更やオークションの変動で月ごとに成果が倍にも半分にもなりますが、配信は送れば必ず一定の人数に届く。振れ幅の小さい売上の土台になります。
③1つの集客軸に依存する構造を崩すため
そのECの課題は、集客が指名検索の広告1本に寄っていたことでした。1本が止まると売上も止まる。同じグループの別ブランドは、検索、カタログ広告、バナー広告、配信からほぼ均等に売上が立っていて、どれかが落ちた月も全体ではならされています。友だち登録者への配信は、広告のオークションにも検索アルゴリズムにも左右されない、自店で完全にコントロールできる経路です。
④続けることで「関心が残っているか」が見えるため
購入0件だった休眠顧客向けのメールも、開封率は35%前後ありました。2,000人のうち約700人は読んでいる。買わなかっただけで、店の名前を認識して開く程度の関心は残っています。配信を続けていると、この「まだ生きている人数」が見えます。止めてしまうと、誰が離れたのかも分からなくなります。
05 ブロックとの付き合い方
LINE配信で一番よく聞く不安が、「送るとブロックされる」です。これは事実で、配信のたびにブロックは一定数出ます。ただ、ブロックは「この店の案内は要らない」という意思表示なので、その人は配信を続けても買わなかった人です。ブロックされた相手にはメッセージが届かず、配信通数にも数えられないので、費用が無駄に積み上がることもありません。
見るべきなのは、ブロックが出ることではなく、ある配信の直後だけブロックが跳ねたかどうかです。普段の配信で出る割合を把握しておき、特定の配信でその2倍、3倍出たなら、その配信の中身か頻度に原因があります。値引きの連投、関係のない商品の案内、深夜の配信あたりが典型です。
ブロックを0にしようとすると、配信をやめるしかなくなります。ブロックを一定の範囲に収めながら、残った人に届け続ける。ここが運用の基本姿勢です。
メールの世界で「3か月配信して一度も開封が無ければ離脱と判断する」という基準を当社では使っています。LINEでは個人ごとの開封は追えませんが、配信ごとの開封数とクリック数、ブロック数の推移は見られます。配信ごとの数字を並べて、開封が落ちずにブロックだけ増えていないかを月に1回確認する。それで十分です。
06 配信の間隔と中身の決め方
間隔は週1〜2回を起点にする
メールなら2〜3日に1回まで詰められますが、LINEは通知として届く分、受け取る側の負担が重い。当社は週1〜2回を起点にして、ブロックの推移を見ながら調整することを勧めています。間隔を空けすぎると、需要が生まれた日に当たらなくなります。月1回では少ないです。
1配信1テーマ、文章は短く
1回で大きく売ろうとしないことが、頻度を保つ条件です。商品1点の紹介、コーディネート写真1枚、季節の使い方1つ。長文の売り込みを月1回送るより、短い配信を週1回送るほうが、思い出してもらう回数は4倍になります。
クーポンに頼らず、商品そのものを見せる
休眠顧客の実験で分かったのは、値引きは需要を作らないということでした。配信の中身は値引きではなく商品にします。先ほどのECで反応があったのは、1粒ダイヤモンドのピアス、組み合わせて着けるピアスの提案、誕生石を使った商品でした。欲しくなるきっかけになりそうな切り口を、商品ごとに1つ添えます。
「相手に理由がある日」の配信は仕組みにする
1件で12万円を売った誕生日クーポンは、特別な企画ではなく、毎月その月が誕生日の人に自動で送る定番の配信です。誕生日は本人にも周囲にも買う理由が生まれる日なので、クーポンが効きます。購入から1年後、来店から1か月後、ウィッシュリストの商品の再入荷。相手側に理由がある日を配信のきっかけにすると、同じ値引きでも効き方が変わります。LINE公式アカウントなら、属性や行動でオーディエンスを分けて送れるので、全員に同じものを送らずに済みます。
広告と同じ商品を出すなら、見せ方を変える
広告とLINEで同じ商品を同じ写真、同じ価格表示で出すと、お客様には同じものが2回届くだけで、どちらで買ったかも分からなくなります。配信では広告と別の写真を使う、価格の見せ方を変える、言葉を変える。それが難しければ、配信で紹介する価格帯と広告で押す価格帯を分けます。
07 料金は通数課金。だから「軽く、こまめに」が合う
LINE公式アカウントの料金は、月に送るメッセージの通数で決まります。無料で使える枠があり、その上に月額固定で一定の通数まで送れるプランが2段階あって、超えた分は1通ごとの従量になります。プランの金額や通数は改定されることがあるので、最新の数字はLINEヤフーの公式ページで確認してください。
この仕組みで押さえておきたいのは2点です。ひとつは、1通あたりの費用が広告のクリック1回より安いこと。1人のお客様に1か月に4〜8回届けても、広告で新規客を1人連れてくる費用には届きません。もうひとつは、長い配信も短い配信も同じ1通だということ。長文で売り込む回数を減らすより、短い配信を回数多く送るほうが、同じ費用で思い出してもらえる回数が増えます。
登録者が増えてプランの通数を超えそうなら、全員配信を減らしてオーディエンス配信に切り替えます。買う理由がありそうな人にだけ送るほうが、通数も減り、ブロックも減ります。
08 まとめ
LINE配信は、送った直後の売上で測ると失敗に見えます。休眠顧客にクーポンを3回送って購入0件という結果は、その典型です。買う気のない人を店の都合で動かすことはできません。
それでも定期的に送り続ける理由は、お客様が欲しくなった瞬間に一番先に思い出してもらうためです。広告が不調な月を支え、1つの集客軸への依存を崩し、1通あたりの費用は広告のクリックより安い。開封が続いているなら、その人たちはまだ離れていません。
これから見直すなら、まず直近3か月の配信ごとの開封数とブロック数を並べてください。開封が保てているなら間隔を週1〜2回まで詰め、中身はクーポンではなく商品1点の紹介にする。誕生日や購入後のように相手に理由がある日の配信を自動化する。広告と同じ商品を出すときは写真と言葉を変える。この順番で始めるのが近道です。
LINE配信の設計と運用を、広告と一緒に見ます
Rei LINEは、零株式会社のSNS運用・LINE運用の支援ブランドです。
広告で集めたお客様に、どの間隔で何を配信するか。
ブロックの見方から配信の中身、広告との住み分けまで、一緒に組み立てます。