皆さんこんにちわ!広告代理店をやってます、でもやるんだよのブログ運用チームです!

今日は、広告運用のAI化について、少し思うところを書きたいと思います。

最近、広告運用の世界ではAI化、自動化、機械学習、P-MAX、Advantage+、自動入札、AIクリエイティブなど、いかにも「もう人間がやることはなくなりました」と言わんばかりの言葉が増えてきました。実際、昔の広告運用と比べると、人間が毎日管理画面を開いて入札単価を細かく調整したり、キーワードごとに手作業で設定を変えたりするような仕事はかなり減りました。

なので、広告主の方から見ても、「広告運用って、もうAIが勝手にやってくれるんじゃないの?」「広告代理店って、実は何もやってないんじゃないの?」「管理画面に任せているだけなら、手数料を払う意味ってあるの?」と思われることもあるかもしれません。正直、その疑問自体はかなり自然だと思いますし、広告業界側もその問いにちゃんと答えないといけない時代になっていると思っています。

結論:広告運用はAIが全部やってくれるわけではない

ただ、結論から言うと、広告運用はAIが全部やってくれるわけではありません。

AIができるようになったことは確かに増えましたが、それは広告運用という仕事全体の中の一部が自動化されただけであって、広告運用そのものが消えたわけではありません。むしろ、AI化によって細かい作業の一部が減ったことで、人間がやるべき仕事は「管理画面を触ること」から「意思決定すること」にどんどん寄ってきていると思っています。

これは、飛行機のオートパイロットにかなり近い話です。飛行機にオートパイロットが搭載されているからといって、パイロットが不要になるわけではありませんよね。皆さん、旅客機の運転をもう全部AIに任せたいですか?

運転はAIができるとして、悪天候時の判断とか、急に天気が悪くなったり、天気が悪くなりそうだけどどうしようとか。目的地の空港に降りられない場合とか、降りられなくなるかもしれないとか、その他無限の意思決定の中で、乗客の命に関わるすべての意思決定も、全部AIだけでやります、はちょっと無理だと思うんですよね。

飛行機の仕事は「操縦桿を握ること」だけではない

例えば、パイロットの仕事は、ただ機体を前に進めることではなく、天候を読み、燃料を計算し、航空状況を把握し、目的地に着陸できなかった場合の選択肢を持ち、万が一のトラブルが起きた時にどの判断をするかを事前に想定しておくことです。

晴れていて、何も問題が起きていないフライトだけを見れば、パイロットはそんなに忙しくなさそうに見えるかもしれません。でも実際には、何も起きていないように見える時間にも、常に状況を見て、先のリスクを考え、必要があればすぐに判断できる状態を維持しています。急に雲が出てくるかもしれないし、それを想定して意思を持って何かを変えるのはAIにはできません。AIには意思がないので。

つまり、パイロットの本質的な仕事は「手を動かすこと」ではなく「責任を持って意思決定すること」なのだと思います。そして、AIには意思がありません。

広告運用も、オートパイロットと同じ

広告運用も、これとかなり似ています。

自動入札があるから、AIが配信面を選んでくれるから、P-MAXが勝手に最適化してくれるから、人間は何もしていない、という話ではありません。AIがやってくれるのは、あくまで「与えられた条件の中での最適化」です。

そもそも誰に売るのか、どのペルソナを狙うのか、どの媒体にどれくらい予算を寄せるのか、どの訴求を強めるのか、CPAが悪くなった時にどこまで耐えるのか、ROASが良くても売上が伸びない時に何を疑うのか、クリエイティブが飽きられてきた時に次はどんな切り口を試すのか、LPが悪いのか、広告が悪いのか、商品が悪いのか、価格が悪いのか。

こういう判断は、AIが勝手に経営者の代わりに決めてくれるわけではありません。AIは非常に便利ですが、商売の責任までは取ってくれません。

あとAIを提供する会社も商売なので、何もかも全ての点と点を繋げた意思決定まで面倒を見られないというのもありますし、AIの記憶は実は無限大じゃなくて、色々とかいつまんで要約して統計学的な検知に基づいて推論して生成しているだけに過ぎないので、まあまあしょうもないとも言えます。操る人間によってアウトプットの精度もまるで違いますし。

AIは、成果が悪くなった時に責任を取ってくれない

ここが一番大事なところだと思っているのですが、AIは成果が悪くなった時に責任を取ってくれません。

Google広告の推奨設定を全部オンにしました。Meta広告の自動最適化に任せました。P-MAXに予算を入れました。AIが良いと言ったからその通りにしました。それで成果が出れば、もちろん良いです。

でも、もし成果が悪くなった時に、AIは謝ってくれません。広告費を使いすぎた時に返金してくれるわけでもありませんし、問い合わせの質が悪かった時に営業現場へ説明してくれるわけでもありませんし、売上が落ちた時に社長の前で「なぜこうなったのか」「次に何をするのか」を話してくれるわけでもありません。

広告費は現実に使われますし、問い合わせも現実に増減しますし、売上もキャッシュフローも現実に変わります。だからこそ、広告運用には、最後に責任を持って判断する人間が必要です。

AIの提案をそのままやると、普通に成果が落ちる

そしてもう一つ、かなり大事な話があります。それは、AIの提案をそのまま実行すると、普通に成果が悪くなることがあるという話です。

広告管理画面を見ていると、「最適化案」「推奨設定」「この設定を有効にしましょう」「予算を増やしましょう」「キーワードを追加しましょう」「自動適用しましょう」「配信面を広げましょう」みたいな提案がたくさん出てきます。これだけを見ると、なんとなく管理画面側が親切に成果改善のアドバイスをしてくれているように見えるのですが、ここを何も理解せずにポチポチ反映していくと、むしろ成果が落ちることがあります。

なぜなら、AIは基本的に拡張しようとするからです。

もっと広く配信しましょう、もっと多くの検索語句に出しましょう、もっと多くのユーザーに広告を届けましょう、もっと予算を使いましょう、もっと自動化しましょう、という方向に提案が寄りやすいわけです。もちろん、それが正しい場面もあります。配信量が足りない、学習データが足りない、予算が小さすぎる、ターゲットを絞りすぎている、という場合には、拡張した方が良いこともあります。

でも、すべての案件で拡張すれば成果が良くなるわけではありません。むしろ、広告運用で怖いのは、狙うべきユーザーではない人にまで配信が広がって、クリックは増えるけどCVしない、表示は増えるけど質が悪い、問い合わせは来るけど受注につながらない、CV数は増えたように見えるけど売上や利益は悪化している、という状態です。管理画面上は「最適化」されているように見えても、事業の成果としては全然最適化されていないことがあります。

AIの提案は「一般論」であって「自社にとっての正解」ではない

AIや広告管理画面の推奨は、あくまで一般論です。

この設定を入れると配信量が増えます、このキーワードを追加すると表示機会が広がります、この予算にすると機会損失が減ります、この自動化を使うと学習が進みやすくなります、という意味では正しいのかもしれません。ただ、それが自社のビジネスにとって正しいかどうかは別問題です。

例えば、高単価商材で問い合わせの質が重要な案件なのに、AIの提案通りにターゲットを広げすぎると、数は増えても質が落ちることがあります。BtoB商材で決裁者や担当部署が限られているのに、広く認知を取りに行きすぎると、クリック単価は下がっても商談につながらないアクセスが増えることがあります。ECでも、ROASではなく売上拡大を狙うべきタイミングなのか、利益率を守るべきタイミングなのかによって、正解は変わります。

AIは、その会社の粗利構造、営業現場の状況、在庫状況、LTV、リピート率、商談化率、ブランドイメージ、今月の資金繰り、社長がどこまでリスクを取れるかまでは理解していません。だから、AIの提案をそのまま実行するのではなく、「この提案は何を広げようとしているのか」「どのデータをもとにそう言っているのか」「広げた結果、何が薄まるのか」「この案件では今やるべきなのか」を人間が判断しないといけません。

AIの提案を理解せずに対応すると、成果が落ちる

広告運用で怖いのは、AIの提案そのものではありません。一番怖いのは、AIの提案を理解せずに対応することです。

例えば、管理画面に「最適化スコアを上げましょう」と出ているから、とりあえず提案を全部適用する。配信量が増えそうだから、とりあえずキーワードを追加する。機械学習が進みそうだから、とりあえずターゲティングを広げる。推奨されているから、とりあえず自動適用をオンにする。この「とりあえず」が積み重なると、アカウントの設計思想がどんどん崩れていきます。

最初は、誰に売るかを決めていたはずなのに、いつの間にか誰にでも配信するアカウントになる。最初は、勝たせたい訴求を検証していたはずなのに、いつの間にか媒体の推奨に合わせた無難な広告になる。最初は、利益の出るCVを取りに行っていたはずなのに、いつの間にか管理画面上のCV数だけを追う運用になる。これがかなり怖いです。

AIの提案を受け入れるかどうかは、広告運用者が判断すべきです。提案を否定する必要はありません。むしろ、良い提案もあります。ただし、その提案が「なぜ出ているのか」「何を変える提案なのか」「成果指標にどう影響するのか」「今の戦略と矛盾しないのか」を理解してから対応しないと、AIに最適化してもらっているつもりが、AIにアカウントを壊されているような状態になってしまいます。

AIは拡張しようとする。だから、人間は絞る意思を持たないといけない

AIは基本的に拡張しようとします。もっと広く、もっと多く、もっと自動で、もっと配信量を増やす方向に動きます。媒体側の機械学習にとっては、データ量が多い方が学習しやすいですし、配信機会が広い方が動かしやすいからです。ただ、マーケティングは広げれば勝てるというものではありません。

むしろ、マーケティングの基本は「選ぶこと」です。

誰に届けるのかを選ぶ。誰には届けないのかを決める。どの訴求で勝負するのかを選ぶ。どの媒体に予算を寄せるのかを選ぶ。今月は売上を取りに行くのか、CPAを守るのか、認知を広げるのか、利益を残すのかを選ぶ。AIが広げようとするからこそ、人間は「どこまで広げるのか」「どこから先は広げないのか」を決めなければいけません。

この絞る意思がないと、広告運用はどんどんぼやけます。ターゲットもぼやける。訴求もぼやける。配信面もぼやける。結果として、数字は動いているけど、何が良くて何が悪いのか分からないアカウントになります。広告費は使っているのに、学びが残らない。CVは取れているのに、なぜ取れているのか説明できない。悪くなった時に、どこを戻せばいいのか分からない。これでは、広告運用というより、ただ媒体にお金を入れているだけになってしまいます。

だから、AIの時代ほど、人間がペルソナを決め、ジャーニーを決め、アカウントの設計思想を持ち、何を広げて何を絞るのかを判断する必要があります。AIは便利ですが、AIに意思はありません。AIは拡張します。でも、事業にとって正しい拡張なのかどうかを判断するのは、人間の仕事です。

何もやっていないように見える時ほど、色々想定している

広告運用が外から見ると「何もやっていない」ように見える瞬間があるのも、実はこの話とつながっています。

CPAが安定している。ROASも悪くない。CVも取れている。予算も予定通り消化している。こういう順調な時だけを見ると、「別に代理店は何もしていないのでは?」と思われるかもしれません。

でも、成果が安定している時ほど、プロの運用者は色々なことを想定しています。この成果は一時的なものなのか、このまま予算を増やしても効率は落ちないのか、どのペルソナが反応しているのか、どの訴求が効いているのか、競合が出稿を強めたらどうなるのか、繁忙期が終わったら数値はどう変化するのか、CPAが悪化したらまず何を見るべきか、CVRが落ちた時は広告側とLP側のどちらを疑うべきか。こういうことを先に考えています。

つまり、暇だから手を入れていないのではなく、想定済みだから慌てていない、という状態に近いです。

広告代理店の仕事は、管理画面を触ることだけではない

でもやるんだよでは、広告運用を単なる管理画面作業とは考えていません。

もちろん、広告管理画面の設定、予算管理、入札戦略、キーワード、クリエイティブ、LP改善などは当然大事です。ただ、それ以上に大事なのは、「今、誰に売っているのか」「なぜ、その人に売るのか」「その人は、なぜ買うのか」「どの道筋でCVに近づいているのか」「どこで離脱しているのか」「次に何を検証すべきなのか」を説明できることだと思っています。

広告の結果が良い時も悪い時も、なぜそうなったのか、次に何をするのか、どの仮説を検証するのかを言語化できないと、広告運用はただの運任せになってしまいます。

だから、ペルソナとジャーニーを重視する

だから私たちは、コトラーのマーケティング理論に基づいて、ペルソナとユーザージャーニーをかなり重視しています。市場を雑に一括りにするのではなく、誰に届けるべきなのかを細かく考え、その人がどのように認知し、どのように比較し、どのように不安を解消し、どのタイミングで行動するのかを設計します。その上で、キャンペーン、広告グループ、広告、クリエイティブ、LP、媒体ごとの役割を整理していきます。

AIはすでにあるデータの中で最適化することは得意ですが、そもそも誰に売るべきか、この商材の本当の魅力は何か、そのお客様は何に悩んで検索しているのか、広告を見た後に何が不安で離脱しているのか、そういう部分は人間が考えないといけません。

AIは使う。でも、丸投げはしない

もちろん、私たちはAIを否定しているわけではありません。むしろ、AIはかなり使います。レポートの効率化、データ整理、クリエイティブ制作の補助、広告文の案出し、仮説のたたき台作成、分析の初期整理など、使えるものはどんどん使います。

AIを使うことで、作業のスピードは上がりますし、制作コストを抑えられる場面もありますし、運用者が考えるべき本質的な部分に時間を使いやすくなります。

ただし、AIを使うことと、AIに丸投げすることは全く違います。

私たちはAIを使いますが、最後の意思決定をAIに投げることはしません。なぜなら、広告費を使うのはお客様であり、その成果に責任を持つ必要があるからです。

AI化で、人間の仕事はなくなったのではなく、変わった

広告運用のAI化によって、人間の仕事がなくなったのではなく、人間の仕事の中身が変わったのだと思います。

昔よりも細かい作業は減りました。しかしその分、誰に届けるか、どの訴求を伸ばすか、どの媒体に投資するか、どの数字を見て判断するか、どこまでAIに任せてどこから人間が介入するか、成果が悪くなった時にどの順番で原因を潰すか、そういう意思決定の質がより問われるようになりました。

オートパイロットがある飛行機でもパイロットが必要なように、自動入札がある広告運用でも運用者は必要です。むしろ、自動化されたからこそ、誰が責任を持って判断しているのかがより重要になったと思っています。

広告運用は、AI時代でも人間の仕事です

「広告運用はもうAIが全部できる」という言葉は、半分正しくて、半分間違っています。

AIができることは確かに増えていますし、これからも増えていくと思います。でも、AIは目的地を決めてくれるわけではありません。AIはお客様の事業戦略を理解して、経営判断をしてくれるわけではありません。AIは成果が悪くなった時に、責任を持って立て直してくれるわけではありません。

飛行機で言えば、AIは操縦を助けることはできても、目的地を決め、天候を読み、トラブル時に責任を持って判断するパイロットそのものにはなれないということです。広告運用も同じです。

AIは配信を助けてくれますが、誰に届けるかを決めるのは人間です。AIは数値の最適化を助けてくれますが、何を伝えるべきかを考えるのは人間です。AIはレポートの整理を助けてくれますが、その数字をどう解釈し、次に何をするかを決めるのは人間です。AIはとても便利ですが、成果に責任を持つことはできません。

だから、広告運用はAI時代でもまだまだ人間の仕事ですし、むしろAI時代だからこそ、人間の意思決定の価値はより上がっていると思っています。

最後に

広告運用をAIに丸投げしているけど成果が伸びない。管理画面上は動いているけど何が良くて何が悪いのか分からない。今の代理店が何を考えて運用しているのか見えない。広告の結果をちゃんと経営の意思決定に活かしたい。そんな方は、ぜひ一度でもやるんだよにご相談ください。

広告運用は前提です。本質は、しっかりマーケティングすることです。

AIを使いながらも、人間が責任を持って、教科書通りに、ペルソナを考え、ジャーニーを考え、アカウントを設計し、クリエイティブを作り、結果を見て、原因を考え、対策を出して、また改善する。地味ですが、こういうことをちゃんとやる会社でありたいと思っています。

それではまた!

でもやるんだよ ブログ運用チーム