全部のブランドを成長させる必要はない。「ニッチ」「フランカー」「キャッシュ・カウ」で考えるブランドポートフォリオ
皆さんこんにちわ!B2B支援をしてます!メルマガ運用担当です!
最近、ブランドポートフォリオについて色々と勉強しているのですが、その中で面白いと思ったのが、「すべてのブランドを大きくする必要はない」という考え方です。
ブランドというと、どうしても「売上を伸ばす」「知名度を上げる」「業界No.1を目指す」みたいな話になりがちです。僕自身も以前は、ブランドを作るのであれば、とにかく大きくしていくものだと思っていました。でも、複数のブランドや事業を持つようになると、必ずしもそうではありません。
ブランドにはそれぞれ役割があって、小さいまま利益を出してくれるブランドもあれば、競合を牽制するために存在するブランドもあるし、成長はしないけれど安定してキャッシュを生み続けるブランドもあります。
今回はその中でも、「ニッチ・ブランド」「フランカー・ブランド」「キャッシュ・カウ・ブランド」という3つについて書いてみたいと思います。
01ニッチ・ブランド|小さな市場を独占するブランド
まず一つ目が「ニッチ・ブランド」です。
ニッチ・ブランドとは、ものすごく大きな市場を狙うのではなく、特定の小さな市場で強いポジションを取っているブランドです。
市場自体が小さいので、売上100億円、1000億円という巨大ブランドになる可能性はそれほどありません。
一方で、競合が少なく、顧客から強く支持されていれば、高い利益率を維持できる可能性があります。
例えば「広告代理店」という括りだけで考えると、日本中に大量の会社があります。
Google広告、Meta広告、SEO、SNS、制作など、基本的には何でもやりますという会社が多いので、競争も激しい。
- 「不動産会社専門の広告代理店」
- 「Amazon広告専門の広告代理店」
- 「BtoB SaaS専門の広告代理店」
というところまで市場を絞ると、一気に競合が減ります。
さらに、
「社員10名以下の不動産会社専門」
くらいまで絞れば、その市場では圧倒的に詳しい会社になれる可能性があります。
もちろん市場規模には限界があります。
でも、別にすべての事業を100億円企業にする必要はありません。
年間5000万円の売上でも、粗利率が高く、競合が少なく、営業コストも低いのであれば、それは十分に価値のあるブランドです。
むしろ中小企業の場合、無理に巨大市場へ出て大手企業と殴り合うより、「ここだけは誰にも負けない」という小さな市場をいくつも持つ方が強い場合もあると思っています。
02フランカー・ブランド|競合の攻撃を受け止めるブランド
二つ目が「フランカー・ブランド」です。
これは結構面白い考え方です。
フランカー・ブランドは、そのブランド自体を大きく成長させることだけが目的ではありません。
競合企業の攻撃から、自社の重要なブランドを守るために存在するブランドです。
例えば、自社が高価格帯の商品を販売しているとします。
そこに競合企業が低価格の商品を出してきて、市場を取り始めた。
ここでメインブランドそのものを値下げしてしまうと、
「このブランドってそんなに安いブランドだったっけ?」
ということになり、ブランド価値を壊してしまう可能性があります。
そこでメインブランドとは別に、低価格帯の商品を扱うブランドを立ち上げます。
そして低価格帯の顧客については、そのブランドで競合と戦う。
こうすると、メインブランドの価格やイメージを維持したまま、競合の商品に対抗できます。
要するに、本丸を守るための別働隊みたいなブランドです。
これはかなり重要な考え方だと思っています。
事業をやっていると、
- 「競合が安い商品を出したから、うちも安くしよう」
- 「競合がこのサービスを始めたから、うちもメインサービスに追加しよう」
となりがちです。
でも、それを繰り返すとブランドのコンセプトがどんどん曖昧になります。
高級なのか安いのか。
初心者向けなのかプロ向けなのか。
大企業向けなのか中小企業向けなのか。
全部を一つのブランドで取ろうとすると、最終的には「何の会社なのかよく分からないブランド」になってしまいます。
だからこそ、競合への対抗策をメインブランドに全部背負わせるのではなく、別ブランドに戦わせるという選択肢を持っておく。
03キャッシュ・カウ・ブランド|成長しなくても価値はある
そして三つ目が「キャッシュ・カウ・ブランド」です。
個人的には、会社経営をしていると、この考え方がかなり大事なんじゃないかと思っています。
キャッシュ・カウとは、その名前の通り、安定してお金を生み続けてくれるブランドです。
すでに一定の顧客基盤があり、事業として利益が出ている。
ただし、市場自体が成熟していたり、新規顧客を増やす余地が少なかったりして、大きく成長する可能性はあまりない。
こういう事業に対して、
「成長していないからダメだ」
と判断してしまう必要はありません。
むしろ追加投資をほとんどしなくても毎年利益を出してくれるのであれば、会社にとっては非常にありがたい存在です。
例えば年間3000万円の利益を安定して生み出している事業があるとします。
その事業に年間3000万円を再投資して売上を伸ばそうとしても、市場が成熟していれば、それほど伸びないかもしれません。
だったら、その3000万円を別の成長市場に投資する。
- 新ブランドを立ち上げる。
- 新しい広告チャネルを開拓する。
- 人を採用する。
- M&Aをする。
こうした方が会社全体としては成長する可能性があります。
「お前はもう成長しなくていい。利益を出し続けてくれればいい」
という役割を持たせるわけです。
これは結構重要です。
経営をしていると、すべての事業を毎年前年比120%にしようとしてしまいます。
でも、会社全体で考えるのであれば、すべての事業が成長する必要はありません。
ある事業がキャッシュを生み、そのキャッシュを別の事業に投資し、そこで次の成長エンジンを作ればいい。
事業単体の成長率ではなく、会社全体の資本配分で考える。
04「このブランドをどう伸ばすか」より「このブランドに何をさせるか」
今回の3つを整理すると、
- ニッチ・ブランドは、小さい市場で高い収益性を確保するブランド。
- フランカー・ブランドは、競合と戦い、重要なブランドを守るブランド。
- キャッシュ・カウ・ブランドは、大きく成長しなくても安定してキャッシュを生み続けるブランド。
ということになります。
これを知ってから、僕はブランドについて考えるときに、
「このブランドをどうやって大きくするか?」
だけを考えるのは違うなと思うようになりました。
「このブランドは、会社全体の中で何の役割を担当するのか?」
を決めることの方が重要です。
市場を取りに行くブランドなのか。
利益率を取りに行くブランドなのか。
競合を潰すためのブランドなのか。
既存顧客から安定収益を生み続けるブランドなのか。
あるいは、次世代の主力事業になる可能性に賭けるブランドなのか。
ここが決まれば、広告費、人員、開発費などの経営資源をどこに投入すべきなのかも変わってきます。
逆に、すべてのブランドに対して、
- 「売上を伸ばせ」
- 「新規顧客を増やせ」
- 「広告費を増やせ」
- 「市場シェアを取れ」
とやってしまうと、経営資源が分散してしまいます。
ブランドポートフォリオ戦略というと、最初はマーケティングの話に聞こえます。
でも実際には、「限られた金、人、時間を、どの事業にどれだけ配分するのか」という経営戦略そのものなんだと思います。
そして中小企業ほど、使える経営資源には限界があります。
だからこそ、「全部を成長させよう」とするのではなく、
成長させるブランド、守るブランド、稼がせるブランドを分ける。
この発想を持っておくだけでも、事業の作り方はかなり変わるんじゃないかなと思っています。
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