レスポンシブ検索広告のアセット評価をどう読むか「未評価・低・良・最良」の意味、広告の有効性との違い、差し替えの判断基準とテストの回し方
レスポンシブ検索広告(RSA)は、現在のGoogle検索広告の標準形式です。見出しを最大15本、説明文を最大4本まで登録しておくと、Googleが検索するたびに組み合わせを選んで表示します。以前のように「この見出しとこの説明文で1本の広告」と固定するのではなく、素材を渡して組み合わせを任せる形になりました。
この仕組みで運用者が受け取るのが、アセット単位の評価です。管理画面には各見出し・説明文に「未評価」「低」「良」「最良」というラベルが付きます。ここで多いのが、「低」と出たものを片っ端から削除してしまう対応です。これは多くの場合、改善になりません。評価は絶対的な良し悪しではなく、同じ広告グループ内での相対評価だからです。
この記事では、アセット評価が何を示しているのか、なぜ「未評価」のまま動かないことがあるのか、広告の有効性(Ad Strength)と成果はどう違うのか、そして実際に何を基準に差し替えるべきかを順番に整理します。広告文をどう改善すればいいか分からないまま、なんとなく本数だけ足している状態から抜け出すための手順としてまとめました。
- 1. レスポンシブ検索広告とは何か
- 2. アセットとは何を指すのか
- 3. アセット評価の4段階は何を示しているか
- 4. 「未評価」のまま動かない理由
- 5. 広告の有効性と成果は別物
- 6. アセット指標で実際に見るべき数字
- 7. 「低」を消す前に確認すること
- 8. 差し替えの判断基準:いつ、何本を、どう替えるか
- 9. 訴求軸を分ける:言い換えただけになっていないか
- 10. ピン留めを使う場面と、使いすぎの弊害
- 11. アセットの組み合わせレポートの見方
- 12. 自動生成アセットをどう扱うか
- 13. 広告文とLPの整合を取る
- 14. 広告グループ構成とアセットの関係
- 15. テストの回し方:期間・本数・判断基準
- 16. よくある失敗
- 17. アセット改善のチェックリスト
- 18. 業種別に見る、訴求軸の作り方
- 19. Yahoo!広告のレスポンシブ検索広告との違い
- 20. 書き換えの型:抽象を具体に落とす
- 21. まとめ
- 22. 関連記事
- FAQ. よくある質問
01レスポンシブ検索広告とは何か
レスポンシブ検索広告は、複数の見出しと説明文を登録しておき、検索のたびにGoogleが最適な組み合わせを選んで表示する広告形式です。現在、Google検索広告で作成できる標準の広告タイプはこれになっています。
| 従来の拡張テキスト広告 | レスポンシブ検索広告 | |
|---|---|---|
| 登録するもの | 完成した広告1本 | 見出し最大15本、説明文最大4本の素材 |
| 表示される内容 | 常に同じ | 検索ごとに組み合わせが変わる |
| 運用者の作業 | 広告単位でABテスト | アセット単位で入れ替え |
| 評価の単位 | 広告のCTR・CVR | 広告のCV・CPAに加えてアセット評価 |
この変化で何が変わったかというと、「1本の完成した広告を作る」仕事から「良い素材を揃えて、組み合わせの余地を渡す」仕事に変わりました。だからこそ、素材1本ずつの良し悪しを見る指標としてアセット評価が用意されています。
02アセットとは何を指すのか
レスポンシブ検索広告におけるアセットは、広告を構成する素材のことです。管理画面では次の単位で登録・評価されます。
- 見出し(半角30文字・全角15文字まで):最大15本。通常2〜3本が組み合わされて表示される
- 説明文(半角90文字・全角45文字まで):最大4本。通常1〜2本が表示される
- 表示パス:URLの後ろに表示される文字列。2つまで
これとは別に、サイトリンク、コールアウト、構造化スニペット、電話番号、画像といった「広告アセット」(旧・広告表示オプション)があります。名称が似ていますが別のもので、こちらは広告グループやキャンペーン、アカウント単位で設定します。この記事で扱うのは、前者のレスポンシブ検索広告内のアセットです。
見出しは最低3本、推奨は8〜12本程度です。15本すべてを埋めることが目的ではありません。訴求の軸が違う素材を揃えることが重要で、似た内容を15本並べても組み合わせの幅は広がりません。むしろ1本あたりの表示回数が薄まり、評価が付きにくくなります。
03アセット評価の4段階は何を示しているか
各アセットには次の4つのいずれかが表示されます。
| 評価 | 意味 | 実務上の読み方 |
|---|---|---|
| 未評価 | 判断に足りるデータがまだ無い | 表示回数不足。本数を減らすか、広告グループを統合してデータを集める |
| 低 | 同じ広告グループ内の他のアセットと比べて成果が弱い | 絶対的に悪いわけではない。訴求軸の違うものへ差し替えを検討 |
| 良 | 他のアセットと同程度の成果 | 維持してよい |
| 最良 | 同じ広告グループ内で特に成果が高い | この訴求の方向性を他のアセットにも展開する |
ここで最も重要なのは、評価が「相対」であるという点です。同じ広告グループの中で比較しているため、全体のレベルが高ければ良いアセットにも「低」が付きます。逆に全体が弱ければ、平凡なアセットに「最良」が付きます。他の広告グループとの比較でもなければ、業界水準との比較でもありません。
つまり「低」は「捨てるべきもの」ではなく、「この広告グループの中では相対的に弱い」という情報にすぎません。ここを取り違えると、消しては足し、また消してを繰り返すだけで、広告文の質は上がらないという状態になります。
04「未評価」のまま動かない理由
実務で最も多い相談が「アセット評価がずっと未評価のまま」というものです。原因はほぼ次のどれかです。
| 原因 | 状況 | 対処 |
|---|---|---|
| 広告グループの表示回数が少ない | キーワードが少ない、予算が小さい、入札が厳しい | 広告グループを統合する、予算・入札を見直す |
| アセット本数が多すぎる | 15本登録して1本あたりの露出が分散 | 訴求の重複を整理して8〜12本に絞る |
| 追加してから日が浅い | 1〜2週間程度 | 待つ。判断は最低でも数週間後 |
| ピン留めで組み合わせが制限されている | 複数の見出しを同じ位置に固定 | ピン留めを必要最小限にする |
| 広告グループを細かく分けすぎている | 1グループあたりのデータが薄い | 意図が近いグループを統合する |
特に多いのが、広告グループの分割しすぎです。キーワードごとに広告グループを作る設計にすると、1グループあたりの表示回数が数十回にとどまり、アセット評価が永久に付きません。広告グループは「同じ広告文で対応できる検索意図の塊」でまとめるのが基本です。構造の考え方はキャンペーン・広告グループの組み方で整理しています。
05広告の有効性と成果は別物
広告を作ると「広告の有効性(Ad Strength)」という指標が表示されます。「不十分」「平均的」「良」「優良」の4段階で、アセットの本数や多様性を評価したものです。
ここを「優良」にすることを目標にしている運用を見かけますが、この指標は成果を保証するものではありません。有効性が「平均的」でもCPAが良い広告はありますし、「優良」でもコンバージョンしない広告はあります。
| 広告の有効性 | アセット評価 | 成果指標 | |
|---|---|---|---|
| 見ているもの | 広告の構成の充実度 | アセット単位の相対的な成果 | CV数、CPA、CVR |
| 判定のタイミング | 作成時点(データ不要) | 配信データが溜まってから | 配信データが溜まってから |
| 使いどころ | 作成時のチェックリスト | 差し替え候補の発見 | 継続・停止の判断 |
広告の有効性は「作成時のチェックリスト」として使うのが正しい距離感です。見出しの本数が足りているか、似た内容ばかりになっていないか、キーワードが含まれているか。この確認には役立ちます。ただし、有効性を上げるために意味の薄い見出しを追加するのは本末転倒です。判断は必ずCV数とCPAで行ってください。
06アセット指標で実際に見るべき数字
アセット評価のラベルだけでなく、その裏にある数字も併せて確認します。管理画面のアセット詳細では、各アセットの表示回数を確認できます。
見る順番
- 広告グループ全体のCV数とCPA:そもそもこの広告グループを改善する価値があるか
- 広告単位のCTR・CVR・CPA:広告が複数ある場合、どれが効いているか
- アセットの表示回数:評価が付くだけのデータがあるか
- アセット評価:相対的に弱いものはどれか
- 組み合わせレポート:実際にどの組み合わせで表示されているか
この順番が重要です。広告グループ全体でCVが月2件しかない状態でアセット評価を眺めても、意味のある判断はできません。まず上位の指標で「ここを触る価値があるか」を確認してから、アセットの粒度に降りてください。
07「低」を消す前に確認すること
評価が「低」のアセットを見つけたとき、削除の前に次を確認します。
- 表示回数は十分か:数百回程度では、たまたま弱く出ている可能性があります
- 他のアセットが強すぎないか:相対評価なので、周りが「最良」だらけなら「低」は自然に出ます
- その訴求だけが担っている役割はないか:唯一価格を書いている見出し、唯一エリアを書いている見出しなど。消すと組み合わせの幅が失われます
- ピン留めされていないか:特定位置に固定されていると、そもそも比較条件が違います
- 文字数制限で見切れていないか:長すぎて省略表示されている場合、内容ではなく長さの問題です
- 他のアセットと内容が重複していないか:重複しているなら、消すのではなく統合して枠を空ける
「低」を全部消すと、残ったアセットの中で再び「低」が生まれます。相対評価である以上、これは終わりません。消すことが目的化すると、最終的に見出しが3本しか残らず、組み合わせの幅を失った広告になります。削除ではなく「訴求の違う新しい素材への差し替え」として扱ってください。
08差し替えの判断基準:いつ、何本を、どう替えるか
差し替えには基準を決めておいたほうが、判断がぶれません。目安としては次の形です。
| 項目 | 基準 | 理由 |
|---|---|---|
| 頻度 | 月1回の見直し | 週次だとデータが溜まらない。四半期だと動きが遅い |
| 1回の本数 | 1〜2本 | 大量に替えると原因が特定できず、広告が再学習に入る |
| 対象 | 「低」かつ十分な表示回数があり、他と訴求が重複しているもの | 唯一の訴求軸を担うアセットは残す |
| 差し替え先 | 「最良」の方向性を別の言い方で展開したもの、または新しい訴求軸 | 効いている方向を深掘りする |
| 評価まで | 最低4週間 | アセット評価が付くまでの時間を確保する |
差し替えのヒントとして最も使えるのが、検索語句レポートです。実際に成果が出ている検索語句の言葉を、そのまま見出しに使うと反応が変わることがあります。ユーザーが使っている言葉と広告文の言葉が違うと、関連性が伝わりません。
09訴求軸を分ける:言い換えただけになっていないか
アセットを増やすときに最も多い失敗が、同じことを言い換えているだけというパターンです。「格安」「低価格」「リーズナブル」「お得」は、Googleから見れば同じ訴求です。組み合わせのバリエーションは増えません。
訴求軸のチェックリスト
- 検索語句との一致:ユーザーが検索した言葉をそのまま含む見出しがあるか
- 価格・費用:金額、料金体系、初期費用の有無
- スピード:最短◯日、即日対応、翌営業日
- 実績・信頼:導入社数、施工件数、創業年数、資格
- 対応範囲:エリア、対応時間、対応可能な業種
- リスク低減:無料相談、返金保証、キャンセル可
- 悩みへの共感:ユーザーが抱えている状態を言語化した見出し
- 行動喚起:今すぐ見積もり、まずは相談から
8つの軸のうち、いくつ埋まっているかを確認してください。15本登録していても3つの軸しかカバーしていない、ということはよくあります。本数を増やすより、埋まっていない軸を追加するほうが効果があります。
10ピン留めを使う場面と、使いすぎの弊害
ピン留めは、特定の見出しを「必ず1番目に表示する」といった形で位置を固定する機能です。組み合わせの自由度を下げる代わりに、表示内容を制御できます。
| 使う場面 | 理由 |
|---|---|
| 法令・レギュレーションで必須の文言 | 表示されないと違反になるため |
| ブランド名・サービス名 | 必ず出したい、または誤解を避けたい |
| 必須の注記(「※個人差があります」等) | 表現規制のある業種 |
| 並び順に意味がある訴求 | 「◯◯なら」→「△△株式会社」のように文として成立させたい |
ピン留めを増やすほど、組み合わせのテストは働かなくなります。全ての見出しをピン留めすると、実質的に従来の固定広告と同じになります。さらに、ピン留めされたアセットは他と比較する条件が揃わないため、アセット評価も付きにくくなります。目安として、位置1に1〜2本、位置2以降は原則ピン留めしない、くらいに留めてください。
なお、同じ位置に複数の見出しをピン留めすると、その中から1本が選ばれる形になります。「必ずこの3本のどれかを1番目に出す」という使い方であれば、テストの余地を残しつつ制御できます。
11アセットの組み合わせレポートの見方
管理画面では、実際にどの見出しと説明文の組み合わせで表示されたかを確認できます。ここを見ると、想定と違う使われ方をしていることに気づけます。
- 特定の2本ばかりが組み合わされていて、他が使われていない
- 意図しない組み合わせで意味が通らない文になっている
- 同じ内容の見出しが2本並んで表示されている
- 文字数の関係で、長い見出しがほとんど選ばれていない
「同じ内容が2本並ぶ」は、実際によく起きます。たとえば「最短翌日対応」と「スピード対応」を両方登録していると、両方が並んで表示されることがあります。この場合は片方を別の訴求軸に差し替えます。
組み合わせレポートは、アセット評価より先に見る価値があります。評価が付く前でも、「意味の通らない組み合わせが出ていないか」は目視で確認できるからです。特に、文として続けて読む前提の見出しを入れている場合は必ず確認してください。
12自動生成アセットをどう扱うか
Googleには、LPの内容や既存の広告文をもとに見出しや説明文を自動で生成し、追加する機能があります。設定によっては、運用者が登録していない文言が表示されることがあります。
この機能は、アセットが不足している広告グループでは有効に働くことがあります。一方で、表現の正確さが求められる業種では問題になります。価格、実績、効果に関する文言が意図と違う形で生成される可能性があるためです。
扱いの目安
- オンにしてよい:表現規制が緩く、アセットが不足していて、生成内容を定期的に確認できる場合
- オフにする:医療、金融、法律など表現規制のある業種。ブランドの言葉遣いを厳密に管理したい場合
- 共通の対応:オンにする場合も、生成されたアセットの内容を月1回は確認し、不適切なものは個別に削除する
「知らない間に、社内で使っていない表現が広告に出ていた」というのは避けたい事態です。設定状況を一度確認しておくことをおすすめします。
13広告文とLPの整合を取る
アセットの改善は、広告の中だけで完結しません。広告文で伝えた内容が、遷移先のLPに書かれていなければ、クリック後に離脱します。
- 広告で価格に触れているなら、LPのファーストビュー付近に料金がある
- 広告で「最短翌日」と書いているなら、LPにも同じ条件が明記されている
- 広告でエリアを訴求しているなら、LPに対応エリアが載っている
- 広告で「無料相談」と書いているなら、LPの主要な行動導線が無料相談になっている
広告文で「最良」と評価されるアセットは、クリック率だけでなくコンバージョンへの寄与も見られています。LPで裏切られる訴求は、結果としてアセット評価も上がりません。広告とLPの関係についてはリスティング広告とLPの関係の記事で詳しく扱っています。
14広告グループ構成とアセットの関係
アセット評価が機能するかどうかは、広告グループの作り方に大きく左右されます。ここが整理されていないと、いくらアセットを磨いても判断ができません。
| 構成 | アセット評価への影響 | 推奨 |
|---|---|---|
| キーワードごとに広告グループを作る | 表示回数が分散し、評価が付かない | 避ける |
| 検索意図ごとにまとめる | データが集まり、評価が機能する | 推奨 |
| 意図の違うキーワードを1グループに混在 | 広告文がどのキーワードにも中途半端になる | 避ける |
| 1グループに広告を5本以上入れる | 1本あたりの配信が薄くなる | 2〜3本に留める |
目安としては、1つの広告グループに広告2〜3本、見出し8〜12本。この状態で月に数千回の表示があれば、アセット評価は機能します。ここに届かない場合は、アセットを触る前に構造を統合するほうが先です。
15テストの回し方:期間・本数・判断基準
広告文のテストは、変更を積み重ねる作業です。手順を決めておくと、何が効いたのかを追えるようになります。
月次のサイクル例
- 第1週:前月の広告グループ別CV・CPAを確認。改善対象の広告グループを2〜3個に絞る
- 第2週:対象グループのアセット評価と組み合わせレポートを確認。差し替え候補を特定する
- 第3週:検索語句レポートから言葉を拾い、新しいアセットを1〜2本作成して差し替える。変更履歴に記録
- 第4週:触らない。データが溜まるのを待つ
- 翌月第1週:広告グループのCV・CPAが前月比でどう変わったかを確認
複数の広告グループで同時に大きく変えないでください。季節要因や競合の動きと区別がつかなくなります。対象を絞って、変更していないグループを比較対象として残しておくと、変化が施策によるものかどうかを判断できます。
16よくある失敗
失敗1:「低」を機械的に全部削除する
相対評価なので、消しても新しい「低」が生まれます。最終的に見出しが減り、組み合わせの幅を失います。差し替えとして扱ってください。
失敗2:広告の有効性「優良」を目標にする
構成の充実度を測る指標であって、成果指標ではありません。有効性を上げるために中身の薄い見出しを足すと、かえって成果が下がります。
失敗3:見出しを15本埋めることを目的にする
本数より訴求軸の多様性です。同じ意味の言い換えを15本並べても、組み合わせの幅は広がらず、1本あたりの表示回数が薄まって評価も付きません。
失敗4:ピン留めを多用して比較不能にする
位置を固定すると、そのアセットは他と同じ条件で比較されません。評価が付きにくくなり、テストも働かなくなります。
失敗5:一度に全部差し替える
何が効いたのか分からなくなるうえ、広告が再学習に入って数字が一時的に荒れます。1回1〜2本に留めてください。
失敗6:広告文だけで解こうとする
CVRが低い原因がLPやフォームにある場合、広告文をいくら変えても改善しません。どこに原因があるかの切り分けは運用レバーを整理した記事を参考にしてください。
17アセット改善のチェックリスト
月次で確認する項目
- 広告グループのCV数は、判断できる量があるか(目安:月10件以上)
- 見出しは8〜12本あるか。15本を無理に埋めていないか
- 訴求軸は8つのうちいくつ埋まっているか
- 同じ意味の言い換えが3本以上ないか
- 検索語句に出てくる言葉が、見出しに含まれているか
- ピン留めは位置1に1〜2本までに収まっているか
- 組み合わせレポートで、意味の通らない表示がないか
- 自動生成アセットの内容は確認済みか
- 広告文の訴求が、LPのファーストビューに書かれているか
- 今月の差し替えは1〜2本に収まっているか
- 変更履歴に日付と内容を記録したか
18業種別に見る、訴求軸の作り方
訴求軸を8つ挙げましたが、業種によって効きやすい軸は違います。実際に見出しを書くときの手がかりとして、代表的な業種ごとに整理しておきます。
地域密着型サービス(修理・清掃・工事など)
この領域では、エリアとスピードが最も強い訴求になります。検索している人は、多くの場合すでに困っている状態です。「いつ来てくれるのか」「自分の地域に対応しているのか」が最初の関心事になります。見出しには対応エリアの地名、最短の対応日数、出張費や見積もりの費用有無を入れます。逆に、会社の理念や創業年数は後回しで構いません。困っている人が最初に知りたい情報ではないからです。
士業・コンサルティング
相談すること自体にハードルがある領域です。ここで効くのは、リスク低減と専門性の明示です。「初回相談無料」「オンライン面談可」といった心理的ハードルを下げる訴求と、「相続専門」「建設業許可に特化」といった対象の絞り込みを組み合わせます。何でもできると書くより、対象を狭めたほうが「自分向けだ」と伝わります。
BtoB SaaS・システム
検討期間が長く、複数人で意思決定するため、比較検討に必要な情報が求められます。導入社数、対応している業務範囲、既存システムとの連携、無料トライアルの有無が主要な訴求になります。価格を出せる場合は出したほうが、見込みの薄いクリックを減らせます。「詳細はお問い合わせください」だけの広告は、比較段階の人を取りこぼします。
EC・通販
価格、送料、配送スピード、返品条件が中心です。ここは競合との比較が直接的なので、条件を具体的な数字で出せるかどうかが差になります。「送料無料」ではなく「5,000円以上で送料無料」、「早い」ではなく「14時までのご注文で当日発送」と書くほうが、クリック後の期待値もずれません。
どの業種でも共通するのは、抽象的な形容詞より、確認できる事実のほうが強いという点です。「高品質」「安心」「丁寧」は、誰でも書けるので差になりません。数字、条件、対象範囲を入れられないかを先に検討してください。
19Yahoo!広告のレスポンシブ検索広告との違い
Yahoo!広告にも同じ形式のレスポンシブ検索広告があります。基本的な考え方は共通ですが、運用上いくつか違いがあります。
| 観点 | Google広告 | Yahoo!広告 |
|---|---|---|
| 登録できる見出し | 最大15本 | 最大15本 |
| アセット単位の評価 | 4段階のラベルで表示 | 提供状況が異なるため、広告単位での比較が中心になる |
| データ量 | 検索ボリュームが大きく溜まりやすい | Googleより少なく、判断に時間がかかる |
| 審査 | 表現の基準が異なる | Googleで通った表現が通らないことがある |
実務でよくあるのが、Googleの広告文をそのままYahoo!へコピーして審査で落ちるケースです。特に、最上級表現、価格の表示方法、体験談の扱いなどは基準が違います。落ちた場合はどの箇所が問題かを確認して、Yahoo!側だけ表現を調整してください。
また、Yahoo!はデータが溜まりにくいため、Googleと同じ頻度で差し替えると判断できません。Yahoo!側は2〜3か月単位で見る、あるいはGoogleで効いた訴求を反映する形にすると運用しやすくなります。
20書き換えの型:抽象を具体に落とす
アセットを差し替えるとき、何をどう書き換えればいいかで手が止まることがあります。実務でよく使う書き換えの型を挙げておきます。
| よくある見出し | 書き換えの方向 | 書き換え後の例 |
|---|---|---|
| 高品質なサービス | 何をもって高品質かを事実で示す | 施工実績12,000件/10年保証付き |
| お客様第一 | 行動で示す | 見積もり後のキャンセル無料 |
| 安心の実績 | 数字を入れる | 創業32年・年間700社が導入 |
| 低価格 | 金額か条件を出す | 月額9,800円〜/初期費用0円 |
| スピード対応 | 期限を明示する | 最短翌営業日に現地調査 |
| お気軽にご相談ください | 相談のハードルを具体的に下げる | 電話1本・30分で概算をお伝えします |
| あらゆる業種に対応 | 対象を絞って自分ごと化させる | 飲食店・美容室の開業に特化 |
この書き換えをすると、必然的に社内で数字を確認する必要が出てきます。実績件数はいくつか、保証は何年か、最短で何日か。ここが曖昧なまま広告文を書くと、抽象的な形容詞に逃げることになります。広告文の改善は、実は自社の提供内容を言語化する作業でもあります。
数字を入れるときは、根拠を確認してください。実績件数や導入社数を広告に出す場合、その数字の集計方法と時点を社内で押さえておく必要があります。景品表示法の観点でも、確認できない数字を広告に出すのは避けるべきです。「〜以上」「2026年8月時点」といった表記で範囲を明確にしてください。
21要点整理
レスポンシブ検索広告のアセット評価は、広告グループ内での相対評価です。「低」は捨てるべきものではなく、この集団の中では弱いという情報にすぎません。機械的に削除を繰り返しても、新しい「低」が生まれるだけで質は上がりません。
「未評価」が続く場合、原因はアセットではなく構造にあることがほとんどです。広告グループを分けすぎている、本数が多すぎる、ピン留めで比較条件が揃っていない。まずはデータが集まる構成に直すことが先になります。
そして、広告の有効性は成果指標ではありません。作成時のチェックリストとしては有効ですが、「優良」を目指して中身の薄い見出しを足すのは逆効果です。判断はCV数とCPAで行ってください。
実務としてやることは、月1回、対象の広告グループを絞り、訴求軸が埋まっているかを確認し、検索語句から言葉を拾って1〜2本だけ差し替える。この繰り返しです。地味ですが、広告文は制作費がかからず、変更が即日反映され、失敗しても戻せる数少ないレバーです。時間をかける価値があります。
22関連記事
広告文の前後にある論点は、それぞれ個別の記事で扱っています。
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アセットを差し替えても数字が動かない場合、原因が広告文以外にあることも多くあります。直近90日の広告費、CV数、CPA、広告グループ構成、LPのURLを共有いただければ、どこから直すべきかの切り分けをお手伝いします。無料で相談する
FAQよくある質問
Q1. アセット評価が「未評価」のまま変わらないのはなぜですか?
評価には十分な表示回数が必要だからです。広告グループの表示回数が少ない、アセットの本数が多すぎて1本あたりの露出が分散している、追加してから日が浅い、ピン留めで組み合わせが制限されている、といった理由で評価が付きません。まずは広告グループを統合して表示回数を集めるほうが先です。
Q2. 評価が「低」のアセットは削除すべきですか?
機械的に消すのは避けてください。評価は同じ広告グループ内の相対評価であり、他が強いだけで「低」が付くことがあります。また、その1本が特定の検索語句に対してだけ効いている可能性もあります。削除ではなく、訴求軸の違う新しいアセットに差し替えるという発想で扱ってください。
Q3. 広告の有効性が「優良」でないと成果は出ませんか?
別物です。広告の有効性は、アセットの本数や多様性といった構成上の充実度を示す指標であり、CPAやコンバージョン率を保証するものではありません。有効性が「平均的」でも成果が出ている広告はありますし、その逆もあります。判断はCV数・CPA・CVRで行ってください。
Q4. 見出しのピン留めは使ってよいですか?
必要な場面ではためらわずに使ってください。法令やレギュレーションで必ず表示しなければならない文言、ブランド名、必須の注記などが該当します。ただし全ての見出しをピン留めすると組み合わせのテストが働かなくなるため、ピン留めは必要最小限にし、位置1に1〜2本までを目安にしてください。
Q5. アセットの差し替えはどのくらいの頻度で行うべきですか?
広告グループの表示回数によりますが、月1回の見直しを基本に、1回あたり1〜2本の入れ替えに留めるのが扱いやすい形です。一度に大量に入れ替えると、何が効いたのか分からなくなるうえ、広告が再度学習に入ります。