広告のCPAが悪いのはLPのせいかもしれないリスティング広告とランディングページをセットで見て、どこで落ちているかを切り分ける手順

LP(ランディングページ)とは、広告をクリックした人が最初に着地するページのことです。一般には、問い合わせや購入といった1つの行動に絞って作られた縦長のページを指します。広告の管理画面とは別の場所にあるため、広告運用の対象外だと思われがちですが、実際には成果を大きく左右します。

広告のCPA(1件あたりの獲得単価)が悪いとき、原因が広告側にあるとは限りません。クリックされているのにコンバージョンしないのであれば、問題はクリック後に起きています。この場合、広告文をいくら書き換えても、入札を何度調整しても数字は動きません。それでも管理画面の中だけを見て、キーワードを止めたり単価を下げたりする対応が繰り返されることがあります。

この記事では、CPAを分解して広告側とLP側のどちらに原因があるかを切り分ける方法から始めて、検索した言葉とページの一致、ファーストビューに入れるべき要素、フォームの改善、離脱段階の見方、そしてLPを新しく作る予算がないときの現実的な対応までを順番に整理します。

01広告とLPは、ユーザーから見れば1つの体験

運用側から見ると、広告は管理画面の中にあり、LPはサイトの中にあります。担当も分かれていることが多く、広告は代理店、サイトは制作会社、という体制も珍しくありません。

ただ、検索した人から見れば、これは分かれていません。検索して、広告を見て、クリックして、ページを読んで、問い合わせるかどうかを決める。この一連の流れが1つの体験です。途中で言っていることが変わったり、探している情報が見つからなかったりすれば、そこで離脱します。

実務でよくあるのは、広告担当は「クリックは取れている」と報告し、制作担当は「ページの見た目は問題ない」と答え、それでも問い合わせが増えないという状況です。この場合、誰も「広告で来た人がページで何を見て帰ったか」を追えていません。ここを見るのが、広告とLPをセットで扱うということです。

02CPAを分解して、原因の場所を絞る

CPAは次の式に分解できます。

CPA = クリック単価(CPC) ÷ コンバージョン率(CVR)

例:CPC 300円 ÷ CVR 2% = CPA 15,000円

つまりCPAが悪化する理由は2つしかありません。クリック単価が上がったか、コンバージョン率が下がったかです。まずどちらが動いたのかを確認します。

動いた要素疑う場所最初に見るもの
クリック単価が上がった競合、入札、品質、キーワードオークション分析、インプレッションシェア、品質スコア
コンバージョン率が下がった検索語句、LP、フォーム、計測検索語句レポート、LPのアクセス解析、フォームのエラー
両方が動いたキャンペーン設定の変更、季節要因変更履歴、前年同月比
数字が突然おかしくなった計測タグの発火、CV定義の変更、サイト改修の履歴

数字が不自然に急変したときは、まず計測を疑ってください。サイト改修、フォームの変更、CMSの更新があった日付と、数字が動いた日付を突き合わせます。ここを飛ばして広告を触ると、存在しない問題を追いかけることになります。

03広告側かLP側か、切り分けの手順

コンバージョン率が落ちていると分かったら、次は「来ている人が正しいか」を確認します。ここで広告側かLP側かが分かれます。

切り分けの3ステップ

  1. 検索語句レポートを開く。実際にどんな言葉で検索した人が来ているかを確認する。意図の違う語句が多ければ、原因は広告側(キーワード・マッチタイプ・除外)にあります。
  2. 意図が合っている語句だけで数字を見る。正しい人が来ているのにCVRが低いなら、原因はLP側です。
  3. LP別・デバイス別に分けて見る。スマホだけCVRが極端に低い、特定のLPだけ低い、といった偏りがあれば、そこが具体的な原因の場所です。
状況原因の場所打ち手
意図の違う検索語句が多い広告側除外キーワードの追加、マッチタイプを狭める
意図は合っているがCVRが低いLP側ファーストビュー、料金表示、フォームを見直す
スマホだけCVRが低いLP側(表示・操作性)スマホ表示、ボタンサイズ、フォームの入力方式
特定のキーワードだけCVRが低い広告とLPの不一致そのキーワード専用の遷移先を用意するか、キーワードを止める
CVはあるが商談にならない訴求と対象のズレ料金・対象条件を明示して、見込みの薄い人を減らす

この切り分けをせずに「CPAが悪いからキーワードを止める」と対応すると、実際には成約に近い良いキーワードを止めてしまうことがあります。原因がLPにあるなら、どのキーワードを止めても数字は改善しません。

04コンバージョン率の目安をどう考えるか

「うちのCVRは低いのでしょうか」という質問をよく受けますが、業種と成果の定義によって幅が大きいため、一律の基準はありません。同じ「コンバージョン」でも、資料ダウンロードと見積もり依頼と契約では、当然数字が違います。

成果の種類ハードルCVRの傾向
資料ダウンロード低い高く出やすい。ただし商談化率は低い
無料相談・問い合わせ中中程度。事業の中心指標にしやすい
見積もり依頼やや高い低めだが、商談化率は高い
電話状況次第緊急性の高い業種では主要成果になる
購入・申し込み高い最も低い。金額と信頼の壁がある

他社との比較より、自社の中での比較のほうが判断に使えます。前月比、キーワード別、LP別、デバイス別。この差を見ると「どこが弱いか」が具体的に分かります。「業界平均が2%だから、うちの1.8%は問題ない」という比較は、次の行動につながりません。

05検索した言葉とLPの見出しを一致させる

LP改善で最も効果が出やすいのが、ここです。検索した言葉が、着地したページの最初の画面に書かれているかどうか。

たとえば「川崎 エアコン取付」で検索した人が、「快適な暮らしを、あなたに。」という見出しのページに着地したとします。この人が最初に確認したいのは「川崎に来てくれるのか」と「いくらか」です。抽象的なキャッチコピーは、その答えになっていません。

一致させるべき3つの要素

  • サービス名:検索した言葉と同じ言い方で書く(「エアコン取付」で検索した人に「空調設備設置工事」と書かない)
  • 対象・エリア:「川崎市対応」「法人向け」など、自分向けかどうかが分かる情報
  • 状況・悩み:「引っ越し先で急ぎ」「賃貸でも設置可」など、検索の背景に対応する一言

広告文で書いたことがLPに書かれていない、という不一致は必ず潰してください。「初回相談無料」と広告に書いてあるのに、LPのどこにも無料と書いていない。「最短翌日」と書いてあるのに、LPには「お問い合わせ後にご案内」としか書いていない。この状態では、クリックしてくれた人ほど裏切られたと感じます。

06ファーストビューに入れる4つの要素

ファーストビューは、ページを開いてスクロールせずに見える範囲のことです。ここで「自分向けかどうか」が判断されます。入れるべき要素は4つです。

要素答えるべき問い書き方の例
誰向けかこれは自分に関係あるか「横浜・川崎の飲食店オーナー様へ」
何ができるか何を提供してくれるのか「エアコンの取付・移設を最短翌日で対応」
いくらか予算感が合うか「標準工事12,000円〜/出張見積もり無料」
次に何をするかどう進めればいいか「まずは写真を送るだけで概算をお伝えします」

この4つのうち、実務で最も抜けているのが「いくらか」です。金額を出すと問い合わせが減ると考えて伏せることが多いのですが、比較検討している人にとっては、金額が分からないページは検討対象から外れます。問い合わせは減っても、商談になる問い合わせの比率は上がることが多いです。

金額をどうしても出せない場合は、「範囲」か「決まり方」を示してください。「案件により変動しますが、多くは30〜80万円の範囲です」「面積と設置場所で決まります。写真1枚で概算をお出しします」。これだけでも、金額が一切無いページとは印象が変わります。

07どこで落ちているかを段階で見る

「LPのCVRが低い」という状態は、実際には複数の段階に分かれています。どこで落ちているかによって、直す場所が変わります。

段階落ちている場合の症状疑う場所
1. ページ到達クリック数に対してセッション数が少ない表示速度、リダイレクト、計測タグ
2. 読み始め直帰率が高い、滞在時間が数秒ファーストビュー、広告との不一致
3. スクロール中盤で離脱が集中する情報の順序、証拠の不足、料金の不明瞭さ
4. フォーム表示フォームまで到達しないCTAの位置と数、ページが長すぎる
5. 入力開始フォームは見たが入力しない項目数、個人情報への抵抗感
6. 送信完了入力途中で離脱、エラーで止まる入力形式、必須項目、エラー表示

1と6は計測やシステムの問題なので、気づかれないまま放置されがちです。特に「フォームでエラーが出て送信できない」状態は、数字上は単なるCVR低下にしか見えません。定期的に自分でテスト送信して、実際に完了するかを確認してください。

08フォームがコンバージョン率を左右する

フォームは、LPの中で最も改善効果が出やすい部分です。ここまで来た人は、すでに問い合わせる意思がある人だからです。その人を取りこぼしているなら、原因はフォーム側にあります。

  • 必須項目を減らす:本当に初回で必要な情報だけにする。住所や会社名は、後から聞ける場合が多い
  • 入力形式を合わせる:電話番号欄で数字キーボードが出るか、郵便番号から住所が自動入力されるか
  • 自由記述を必須にしない:「ご相談内容」を必須にすると、書くことが思いつかない人が離脱します
  • エラーはその場で出す:送信ボタンを押してから全項目が赤くなる形式は離脱率が高い
  • 選択肢で答えられるようにする:「ご希望の内容」をラジオボタンにすると入力負荷が下がる
  • 個人情報の扱いを明記する:営業電話が来るのではという不安を先に解消する
  • 送信ボタンの文言:「送信」より「無料で見積もりを依頼する」のほうが行動しやすい

フォーム項目を1つ減らすだけで数字が変わることがあります。特にBtoBで「部署名」「役職」「従業員数」まで初回で聞いているケースは、削れる余地が大きいです。営業が知りたい情報と、見込み客が最初に渡してもいい情報は違います。

09電話・LINE・チャットという別の導線

フォームだけが問い合わせ手段ではありません。業種によっては、電話やLINEのほうが主要な導線になります。

導線向いている状況注意点
電話緊急性が高い(修理、トラブル対応、当日予約)スマホでタップ発信できるか。受電できない時間の配信を止める
LINE写真を送ってもらいたい、気軽さが重要友だち追加後の初回メッセージを設計する
チャット質問が多い商材、比較検討が長い応答できる体制があるか。無人だと逆効果
フォームBtoB、検討期間が長い、記録を残したい項目数を絞る

重要なのは、これらもコンバージョンとして計測することです。電話タップやLINE友だち追加を測っていないと、「LPのCVRが低い」と判断してしまいますが、実際には電話で問い合わせが来ているだけ、ということがあります。

ただし、全部を同じコンバージョンにまとめないでください。電話、LINE、フォームでは商談化率が違います。まとめて1つにすると、自動入札は最も獲りやすいものに寄っていきます。主要成果を1つ決めて、それ以外は参考指標として分けてください。

10表示速度とスマホ対応

表示が遅いページは、読まれる前に離脱されます。広告費を払ってクリックを買っているので、ここでの離脱は直接的な損失です。

  • 画像のファイルサイズが大きすぎないか(特にファーストビューの背景画像)
  • 不要なタグやスクリプトが読み込まれていないか
  • スマホで文字が小さすぎないか、横スクロールが発生していないか
  • ボタンが指でタップしやすい大きさか
  • 電話番号がタップで発信できるようになっているか
  • フォームがスマホで入力しやすいか(キーボードの種類、ズレ)

検索広告の流入は、業種によってはスマホが7割を超えます。PCで作って確認したページが、スマホで崩れているというのは実際によくあります。広告を出す前に、実機で一度ページを開いてフォーム送信まで試してください。

11キーワードごとにLPを分けるべきか

「キーワードごとに専用LPを作ったほうがいい」と言われることがありますが、常に正しいわけではありません。分ける価値があるのは、求めているものが明確に違う場合だけです。

ケース分けるべきか理由
「エアコン取付」と「エアコン修理」分ける求めているサービスが違う
「税理士 相続」と「税理士 顧問」分ける相談内容も料金体系も違う
「◯◯ 料金」と「◯◯ 費用」分けない同じことを別の言葉で聞いているだけ
「横浜 ◯◯」と「川崎 ◯◯」状況による対応内容が同じなら1枚で。エリア名を動的に出す方法もある
法人向けと個人向け分ける料金、必要書類、意思決定の流れが違う

分けるほど制作と更新のコストがかかります。料金改定のたびに5枚のLPを直すことになれば、どこかが古いまま残ります。少額運用では、まず1枚を磨いて、明確に意図が違うものだけを追加していく順番が現実的です。

12トップページに送ってはいけない理由

広告の遷移先を会社のトップページにしているケースは、いまだによく見ます。これは避けたほうがよいです。

トップページが不利な理由

  • 対象が広すぎる:採用希望者、既存顧客、取引先、報道関係者など、全員に向けて作られている
  • 探す手数がかかる:今すぐ依頼したい人が、料金や申し込み方法にたどり着くまでにクリックが必要
  • 選択肢が多い:グローバルナビゲーションから他ページへ流れ、離脱しやすい
  • 検索語句と一致しない:「エアコン取付」で来た人に、会社概要が最初に出る

専用LPを作る予算が無い場合でも、該当するサービスページへ直接送ってください。トップページより確実に成果が良くなります。そのうえで、そのサービスページを少しずつ改善していく形が現実的です。

13LPを作れないときの現実的な対応

専用LPの制作には費用と時間がかかります。すぐに用意できない場合でも、既存ページの改修でできることは多くあります。優先順位をつけると次の順です。

既存ページでまずやる5つ

  1. ファーストビューに4要素を入れる:誰向けか、何ができるか、いくらか、次に何をするか。見出しの書き換えだけでも効きます
  2. 料金の目安を追加する:金額そのものが出せなければ、範囲か決まり方を書く
  3. フォームの必須項目を減らす:3〜4個に絞る。自由記述は任意にする
  4. 電話番号をタップ発信にする:スマホ流入が多い業種では効果が大きい
  5. CTAをページ内に複数置く:上部、中盤、最下部の3か所

この5つは、制作会社に依頼しても比較的小さな作業です。新規制作は、既存ページの改善で伸びしろが尽きてから検討してください。改善の順序についてはLPOの基本と改善順序にもまとめています。

14計測:どこまで測れば判断できるか

LP改善を判断するには、最低限これだけは測れている必要があります。

  • 広告からの流入数(キャンペーン別・キーワード別)
  • コンバージョン数(フォーム送信、電話タップ、LINE追加など種類別)
  • LP別のコンバージョン率
  • デバイス別のコンバージョン率
  • フォームの表示回数と送信完了数(可能なら)

特に重要なのが、コンバージョンの種類を分けて測ることです。「全部まとめて月20件」では、どの導線が効いているか分かりません。フォーム12件、電話6件、LINE2件と分かれば、次に強化すべき導線が見えます。

計測値と実際の件数を、月1回は突き合わせてください。タグの二重発火で件数が水増しされていたり、フォームの仕様変更で計測が外れていたりします。管理画面上のCVが30件なのに、実際の問い合わせが12件しか来ていないという状態で運用していると、判断が全部ずれます。

15ABテストは少額ではやらない

LP改善というとABテストを思い浮かべる方が多いのですが、広告費が小さいうちは現実的ではありません。有意な差を判断するには、それぞれのパターンに十分な数のセッションとコンバージョンが必要だからです。

月のコンバージョンが10件のアカウントで2パターンを比較すると、片方5件、片方5件です。この差から何かを結論づけることはできません。テストのために期間を延ばせば、その間の改善が止まります。

少額のうちは、テストではなく「明らかに良くなる修正」を積み重ねてください。料金を書く、フォームを短くする、スマホで崩れているのを直す。これらは比較しなくても改善だと分かる変更です。ABテストが意味を持つのは、明らかな改善をやり尽くして、細かい差を詰める段階に入ってからです。

16LP改善の優先順位

直せる箇所は無数にあるので、効果と手間で順番をつけます。

優先やること手間効果の出方
1計測が正しいかの確認・テスト送信小即日(前提が揃う)
2広告文とLPの不一致を潰す小数日
3ファーストビューに4要素を入れる中1〜2週間
4料金の目安を追加する小〜中1〜2週間
5フォームの必須項目を減らす小1〜2週間
6スマホ表示・表示速度の改善中2〜4週間
7証拠(実績・事例・声)の追加大1〜2か月
8意図の違うキーワード向けにLPを分ける大1〜2か月

上位ほど手間が小さく効果が早いので、ここから着手します。7と8は制作コストがかかるため、上位で伸びしろが尽きてからで構いません。

17よくある失敗

失敗1:CPAが悪いからキーワードを止める

原因がLPにある場合、どのキーワードを止めても改善しません。むしろ成約に近い良いキーワードを止めてしまうことがあります。切り分けを先にしてください。

失敗2:デザインを作り直せば解決すると考える

見た目の刷新より、書いてある内容のほうが効きます。料金が無い、対応エリアが分からない、フォームが長い。この3つが直っていなければ、デザインを変えても数字は動きません。

失敗3:広告担当と制作担当が別々に動いている

広告側は「クリックは取れている」、制作側は「デザインは問題ない」で止まり、誰も流入後の行動を見ていない状態です。広告の検索語句とLPの離脱箇所を同じ場で見る機会を作ってください。

失敗4:コンバージョンを全部まとめて計測している

資料DL、電話、フォーム、採用応募が同じCVになっていると、自動入札が獲りやすいものへ寄ります。CPAは下がるのに商談が増えない状態になります。

失敗5:一度に全部変える

ファーストビュー、料金、フォーム、デザインを同時に変えると、何が効いたのか分かりません。効果の大きいものから1つずつ、2週間ずつ見てください。

18業種別に見るLPの型

LPに必要な情報は業種で変わります。汎用のテンプレートに当てはめるより、その業種で「決め手になる情報」を先に置くほうが効きます。

地域密着型サービス(修理・工事・清掃・出張系)

この領域の検索は、多くの場合すでに困っている状態から始まります。エアコンが壊れた、鍵をなくした、水漏れしている。ここで求められるのは「対応してもらえるか」「いつ来てくれるか」「いくらか」の3点で、企業の理念や技術のこだわりは後回しです。ファーストビューに対応エリア、最短対応日、料金の目安、そして電話ボタンを置きます。ページを縦に長くするより、電話番号を画面下に固定して常に押せる状態にしておくほうが成果につながることが多いです。

士業・コンサルティング

相談すること自体にハードルがあるため、心理的な障壁を下げる情報が中心になります。初回相談は無料か、どこまで話せば費用が発生するのか、しつこく営業されないか。ここが不明瞭だと、問い合わせる前に離脱します。また、対象を絞ったほうが効きます。「あらゆる法務に対応」より「建設業許可の申請に特化」のほうが、該当する人には強く刺さります。担当者の顔と経歴を出すことも、この領域では有効です。

BtoB SaaS・システム

検討期間が長く、複数人で意思決定するため、社内で共有できる情報が必要になります。料金体系、対応している業務範囲、既存システムとの連携可否、導入までの期間、サポート体制。この5つが揃っていないと、比較表を作る段階で候補から外れます。フォームでは「資料ダウンロード」と「デモ依頼」を分けて、検討段階に合わせた導線を用意します。

EC・通販

広告からの流入は商品ページに直接着地することが多いため、LPというより商品ページの改善になります。価格、送料の条件、配送日数、返品条件、在庫状況。この5つがファーストビュー付近で確認できるかが分かれ目です。レビューや使用シーンの写真も、購入判断に直結します。

どの業種でも共通するのは、その業種で最初に確認される情報を、上に置くということです。会社紹介から始まるページは、どの業種でも成果が出にくくなります。「読み進めれば書いてある」では遅く、ファーストビュー付近で確認できる必要があります。

19件数だけでなく、CVの「質」を上げる

問い合わせが増えたのに売上が増えない、という相談は少なくありません。この場合、LPが「問い合わせやすさ」だけを最適化していて、対象を絞れていない可能性があります。

たとえば「無料」「簡単」「まずはお気軽に」を前面に出したLPは、フォーム送信数を増やします。ただし、予算が合わない人、対象外の地域の人、そもそも検討段階に入っていない人も同じように送信します。営業側の工数が増えるだけで、商談は増えません。

CVの質を上げる書き方

  • 料金の目安を出す:予算が合わない人が自分で判断して離脱する。これは損失ではなく、営業工数の節約
  • 対応範囲を明記する:エリア、業種、規模。「対象外の方はご遠慮ください」ではなく「◯◯の方向けです」と書く
  • 進め方を書く:問い合わせ後に何が起きるか(初回はヒアリング30分、その後お見積り、等)
  • フォームで最低限の選別をする:予算帯や希望時期を選択式で聞く。ただし項目を増やしすぎない
  • 事例を具体的に出す:どんな会社が、どんな課題で、どう使ったか。読んだ人が自分と重ねられるか

件数が減ることを恐れないでください。料金を出してフォーム送信が2割減っても、商談化率が2倍になれば商談数は増えます。判断はCV数ではなく、その先の商談数と受注数で行ってください。ここを見ずに件数だけで評価すると、質の悪いリードを増やす方向に最適化されていきます。

20広告担当と制作担当をつなぐ運用の作り方

広告は代理店、サイトは制作会社、という体制はよくあります。この場合、どちらも自分の担当範囲では問題が無いと考えるため、境界にある問題が放置されがちです。

起きがちな問題どちらの担当か曖昧になる理由解決の形
広告文とLPの内容が食い違う広告側は文言を変えられるが、LP側は変更に工数がかかる広告文を変えたら制作側へ共有するルールを作る
サイト改修で計測タグが外れる制作側がタグの存在を把握していない改修前に広告側へ連絡。改修後にテスト送信で確認
フォームが長い営業が欲しい情報を全部入れている初回で必要な項目を三者で決め直す
スマホで崩れている誰も広告経由で実機確認していない月1回、実際に広告をクリックして送信まで試す

最低限やっておきたい3つ

  1. サイト改修の事前共有:フォームやページURLを変える予定は、必ず事前に広告側へ伝える。事後だと、原因不明のCV減少として何週間も調査することになります
  2. 月1回の実機確認:実際に検索して、広告をクリックして、フォーム送信まで通す。これだけで見つかる問題は多いです
  3. 数字を同じ場で見る:広告のレポートとサイトのアクセス解析を別々に報告するのではなく、流入から送信完了までを1つの流れとして並べる

体制の問題は、担当者の能力ではなく仕組みの問題です。誰が悪いかではなく、どこで情報が途切れているかを見て、その1か所をつなぐだけで改善することが多くあります。

21要点整理

CPAが悪いとき、原因が広告の中にあるとは限りません。CPAはクリック単価とコンバージョン率に分解できます。クリック単価が変わっていないのにCPAが悪化しているなら、問題はクリック後に起きています。

切り分けの手順はシンプルです。検索語句レポートで「来ている人が正しいか」を確認し、正しい人が来ているのにコンバージョンしないならLP側を疑う。さらにデバイス別、LP別に分けて見れば、どこが弱いかまで絞れます。

LP側で最初に見るのは、広告文との不一致とファーストビューの4要素です。誰向けか、何ができるか、いくらか、次に何をするか。この4つが揃っていないページは、それだけで取りこぼしています。特に「いくらか」は伏せられがちですが、比較検討している人にとっては必須の情報です。

そして、専用LPを新しく作らなくてもできることは多くあります。見出しの書き換え、料金の追加、フォーム項目の削減、電話のタップ発信化。手間が小さくて効果が早いものから順に潰していくほうが、制作費をかけて作り直すより確実です。広告とLPは別々の担当が持つことが多い領域ですが、成果を決めるのは常にその両方をつないだ体験のほうです。

22関連記事

広告側・LP側それぞれの詳細は、個別の記事で扱っています。

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FAQよくある質問

Q1. 広告とLPのどちらに原因があるかは、どう切り分けますか?

CPAを「クリック単価 ÷ コンバージョン率」に分解します。クリック単価が上がっているなら競合や入札、コンバージョン率が落ちているなら遷移先を疑います。さらに、検索語句レポートを見て「来ている人は正しいか」を確認してください。正しい人が来ていてCVRが低いならLP側、意図の違う人が来ているなら広告側の問題です。

Q2. ランディングページのコンバージョン率はどのくらいが目安ですか?

業種と成果の定義で大きく変わるため一律の目安はありません。フォーム送信をコンバージョンとする場合、BtoBの資料請求で1〜3%、地域密着サービスの見積もり依頼で2〜5%程度が一つの範囲です。重要なのは他社比較ではなく、自社の前月比と、キーワード別・LP別の差を見ることです。

Q3. キーワードごとにLPを分けたほうがよいですか?

検索意図が明確に違う場合だけ分けてください。「エアコン取付」と「エアコン修理」のように求めているものが違うなら分ける価値があります。一方、同じサービスの言い換え程度なら1枚で十分です。分けるほど制作・更新のコストがかかり、少額運用では管理しきれなくなります。

Q4. 会社のトップページに広告を送ってはいけませんか?

避けたほうがよいです。トップページは「会社を知りたい人」向けに作られており、今すぐ依頼したい人が必要とする料金、対応範囲、申し込み方法にたどり着くまでに手数がかかります。専用LPが作れない場合でも、該当するサービスページへ直接送るほうが成果は良くなります。

Q5. LPを新しく作る予算がない場合はどうすればよいですか?

既存ページの改修で改善できることは多くあります。ファーストビューに「誰向けか」「何ができるか」「いくらか」「次に何をするか」を入れる、フォームの必須項目を減らす、電話番号をタップできるようにする、この3つだけでも数字が変わります。新規制作は、既存ページの改善で伸びしろが尽きてからで構いません。

Produced by おこじょデザインシステム株式会社