みなさんこんにちは!広告代理店のメルマガ運用担当です!
今日は、海外のEC専門SEO代理店の代表がXに投稿していた「ECブランドの自然検索売上を月2万ドルから11万ドルまで伸ばした手順」を、初心者の方向けに分解してみますー!
対象はShopifyで運営している24金ジュエリーのブランドで、広告費は0ドル。やったことは「テクニカルSEO」「キーワード調査」「オンページSEO」「コンテンツ」「被リンク」の5つだけです。どれも名前は聞いたことがあると思いますが、この事例はカテゴリーページ(商品一覧ページ)を主役にして、残りの4つを全部そこへ集める設計になっていて、そこが面白いところです。
一方で、被リンクの集め方にはGoogleのルールに反するやり方が含まれています。この記事ではそこも分けて書き、日本のECで安全に真似できる形に置き換えました。
この記事の内容をExcelにまとめました
用語集、テクニカルSEOの12項目チェック表、キーワードの型を記録するワークシート、ブログのネタ出し表、月ごとの進行表など8シートです。状況欄はプルダウンで「完了」にすると完了率が自動で出ます。
元になった投稿と10か月の成果
元ネタは、EC専門のSEO代理店を経営する Keval Shah さん(X:@SEOKeval)が2026年9月22日に投稿した「The $112k/Month SEO Playbook」です。投稿の本文はリンクだけで、中身は画像3枚にまとめられていました。表示は約4万回、いいね304に対してブックマークが705と、保存の多さが目立つ投稿です。後で手元で見返したい人が多い、実務向けの内容だったということだと思います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 24金ジュエリーのECブランド(Shopify運用、サイト規模は小さめ) |
| 自然検索からの売上 | 月$20,137 → 月$112,486(約5.6倍) 開始は前年9月、数字は10か月後の6月時点 |
| 順位 | 購入意図の強い商品系キーワード200個以上でGoogle3位以内 |
| 広告費 | $0 |
| AI検索 | 関連する質問で、ChatGPTなど主要なAIの回答にブランド名が出るようになった(AI向けの特別な対策はしていない) |
投稿者自身は、式のように「テクニカル+キーワード+オンページ+コンテンツ+被リンク=月11万ドルの自然検索売上」とまとめています。AI回答への掲載はSEOで上位を取った結果として付いてきたもので、本人も「いつもそうなるとは限らない」と書き添えていました。
狙うのは「買う人が検索する言葉」だけ
5つのステップに入る前に、全体を貫いている考え方があります。SEOのゴールはアクセス数ではなく売上ということです。
月に5万回検索されるキーワードでも、検索する人が情報を調べたいだけで買う気がなければ、上位を取っても売上は増えません。この事例では「24k gold bracelet(24金ブレスレット)」のように、財布を手にした人が検索する言葉だけを選び、その人の前に商品一覧を出すことに集中しています。
日本のECに置き換えると、「18金 ネックレス レディース」は買いたい人の検索、「18金 24金 違い」は調べたい人の検索です。後者を狙うこともありますが、それは前者のページを押し上げるための脇役として使います(ステップ4で説明します)。
ステップ1 テクニカルSEOは12項目だけ直す
テクニカルSEOは、Googleがページを見つけて検索結果に載せられる状態にする作業です。監査ツールをかけると何百件も「エラー」が出ますが、投稿者の意見は「順位に響くものはごく一部」。実際にこのブランドでやったのは、Screaming Frog(サイトを巡回してエラーを洗い出すツール、500URLまで無料)で点検し、404を1件直して、重複していたカテゴリーページを消しただけだったそうです。
見るべき12項目を、見つけ方と直し方つきで並べます。
| 問題 | 見つけ方 | 直し方 |
|---|---|---|
| 404エラー | Search Console「ページ」→「見つかりませんでした(404)」 | 中身が近いページへ301リダイレクトし、内部リンクも正しいURLに直す |
| リンク切れの被リンク | Ahrefs等の「Broken backlinks」レポート | 消えたURLを現行ページへ301リダイレクト |
| 中身の薄いページ | 文字数が極端に少ないページ、アクセスがゼロのページを一覧にする | 加筆するか、統合・noindexにする |
| 重複ページ | Screaming Frog「Duplicate」、同じタイトルのページ | 1つに統合して残りは301、またはcanonicalで正式版を指定 |
| XMLサイトマップが無い | ドメイン/sitemap.xml を開く | 作成してSearch Consoleに送信 |
| H1が無い・複数ある | Screaming Frog「H1」タブ | 1ページに1つ、狙うキーワードを含むH1を置く |
| タイトルが無い・重複 | Screaming Frog「Page Titles」 | 全ページに固有のタイトルを付け、キーワードは前の方に |
| 内部リンクが弱い | Screaming Frog「Inlinks」の数 | グローバルメニュー、関連カテゴリー、ブログからリンクする |
| 表示が遅い | PageSpeed Insights、Search Console「ウェブに関する主な指標」 | 画像圧縮、使っていないアプリの削除、動画の遅延読み込み |
| 誤ってnoindex | Search Console「noindexタグによって除外」 | 設定を外し、URL検査から再登録をリクエスト |
| canonicalの誤り | Search Console「ユーザーと異なる正規ページが選択されました」 | canonicalを自分自身の正しいURLへ |
| 構造化データが無い | リッチリザルトテストで商品ページを確認 | Product・Offer・Review・BreadcrumbListを入れる |
投稿者は「Shopifyはテクニカル面が優秀」と評価しています。サイトマップは自動生成され、構造化データも多くのテーマが標準で出しているので、Shopifyなら手を入れるのは404、重複、メニューくらいで済むことが多いはずです。ひとつ注意したいのが、Shopifyでは同じ商品が /collections/xx/products/yy と /products/yy の2つのURLで表示される点。テーマ側で正規URLの /products/yy にリンクを揃えておきます。
404の直し方は、404とURL変更の「行き止まり」を直すSEO改善術で詳しく書いています。
ステップ2 キーワードを選び、上位ページの型に合わせる
ここがこの事例の中心です。投稿者は24金の商品について、ブレスレット、指輪、ネックレス、ピアスなど種類ごとにキーワードを洗い出し、検索数がそこそこあって競合が弱いものを16個に絞りました。そのうえで、1つずつ実際に検索して、上位10件がどんなページなのかを確認しています。
| キーワード | 上位に出ていたページ | 作ったもの |
|---|---|---|
| 24k gold bracelet/ring/necklace ほか計15個 | ECの商品一覧ページばかり | キーワードごとにカテゴリーページを新設し、該当商品を入れた |
| 24k gold jewelry(24金ジュエリー) | ブランドのトップページばかり | カテゴリーページは作らず、トップページで狙った |
大事なのは、Googleがすでに上位に出しているページと同じ種類のページを当てることです。記事ばかりが並ぶキーワードに商品一覧を出しても上がりませんし、その逆も同じです。日本語のキーワードで見分けるなら、目安は次のとおりです。
| 上位10件の傾向 | 作るページ | 日本語キーワードの例 |
|---|---|---|
| ECの商品一覧が多い | カテゴリーページ | 18金 ネックレス レディース/ステンレス フライパン |
| ブランドのトップが多い | トップページで狙う | ゴールドジュエリー ブランド |
| 個別の商品ページが多い | 商品ページを強化 | 型番・商品名での検索 |
| ブログや比較記事が多い | ブログ記事(ステップ4) | 18金 24金 違い/〇〇 おすすめ |
作業の流れを初心者向けに書き直すと、こうなります。
- 一番売りたい商品ラインを1つ決める(利益率が高く、在庫が安定しているもの)
- 検索窓の予測候補、ラッコキーワード、Googleキーワードプランナー(無料)で、商品の種類ごとにキーワードを並べる
- 実際に取り扱いがある商品のキーワードだけを残し、10〜20個に絞る
- シークレットウィンドウで1つずつ検索し、上位10件の種類を記録する
- 上位と同じ種類のページを作る、または既存のページを当てる
- 新しく作ったカテゴリーページを、サイトのメインメニューに入れる
6番目のメニューへの追加は、投稿者がわざわざ強調していた部分です。メニューは全ページに表示されるので、そこに入ったカテゴリーページはサイト内のあらゆるページからリンクされることになり、Googleにも重要なページだと伝わりやすくなります。
ステップ3 カテゴリーページを整える
カテゴリーページを作ったら、誰が見ても「このキーワードについてのページだ」と分かる状態にします。直すのは4か所です。
| 場所 | やること | 良い例 | よくある失敗 |
|---|---|---|---|
| タイトル・ディスクリプション | 両方に狙うキーワードを入れる | 18金ネックレス(レディース)一覧|ブランド名 | 全ページ同じタイトル、ブランド名だけ |
| H1 | 狙うキーワードから始める | 18金ネックレス | 「NEW ARRIVALS」など英語の飾り見出しだけ |
| URL | キーワードに合わせる | /collections/18k-gold-necklace | /collections/item-01 |
| 商品一覧の下 | キーワードを自然に含む説明文と、関連カテゴリーへのリンク | 下の4つの役割を参照 | キーワードを何度も詰め込んだだけの文章 |
URLは新しくページを作るときに決めてしまいます。公開したあとで変えると旧URLが404になり、リダイレクトの設定が必要になるからです。
商品一覧の下に置く説明文
投稿者は英語で400〜500語の説明文を置いていました。日本語ならおよそ800〜1,200字です。字数を埋めるための文章ではなく、次の4つの役割をそれぞれ短く書くと、自然にそのくらいの量になります。
| 役割 | 書く内容 | 書き出しの例 |
|---|---|---|
| 商品ラインの紹介 | このカテゴリーにどんな商品があるか | 純度の高い18金を使った、普段使いしやすい細身のネックレスをそろえています。 |
| 強み | ほかの店ではなくここで買う理由 | すべて国内工房で仕上げ、刻印と品位証明書を付けてお届けします。 |
| 選び方 | 自分に合う商品を選ぶ基準 | 長さは40cmなら鎖骨の上、45cmなら鎖骨の少し下に来ます。 |
| 短いFAQ | 買う前によく聞かれる質問を2〜3個 | Q. お風呂でも着けたままで大丈夫ですか? |
説明文は商品一覧の下に置きます。お客さんが最初に見たいのは商品なので、上に長い文章を置くと買い物の邪魔になります。
「24金ジュエリー」のようにトップページで狙う大きなキーワードは、タイトルとディスクリプションに入れ、ページ内の文章にも数回自然に入れただけだったそうです。
ステップ4 ブログはカテゴリーページへリンクを送るために書く
ここは多くの人の考え方と逆になっている部分です。投稿者は「ブログ記事が上位に来るかどうか、1人でも訪問者を連れてくるかどうかは気にしていなかった」と書いています。ブログの役割は、カテゴリーページへ内部リンクを送り、カテゴリーページの順位を押し上げることでした。
実際に書いていたのは、商品に関係する「知りたい系」の記事を月2〜3本です。
| 記事のキーワード(原文) | 日本語にすると | 記事からリンクする先 |
|---|---|---|
| 14k vs 18k vs 24k gold | 14金・18金・24金の違い | 各金種のカテゴリーページ |
| does 24k gold tarnish | 24金は変色するのか | トップページ、各カテゴリー |
| how much is a 24k gold chain worth | 24金チェーンの価値・相場 | 24金ネックレス |
| can you wear 24k gold everyday | 24金は毎日着けられるか | 24金ブレスレット・指輪 |
どの記事も、読んだ人が「じゃあ24金のネックレスを見てみよう」と自然に思える話題になっています。書くときのルールは4つです。
- テーマは自社の商品に直結する疑問だけにする。カテゴリーページと話題がつながっていないと、リンクを送っても効きにくい
- 本文の中で関連カテゴリーへ必ずリンクする。リンクの文字は「18金ネックレス一覧」のように具体的に書く
- 月2〜3本を続ける。1本ずつ、読者の疑問にきちんと答える記事にする
- 薄い記事は出さない。ステップ1の「中身の薄いページ」に当たり、サイト全体の評価を下げる
ステップ5 被リンクは月7本、ただし買わない
投稿者は被リンクについて「みんな難しく考えすぎ」と書いていて、ファッションやライフスタイル系のブログから月7本のペースでリンクを得ていました。やり方は次のとおりです。
- 選ぶサイト:実際にキーワードで順位が付いていて、自然検索の流入があり、DR30以上(Ahrefsで確認)のサイトだけ
- 頼み方:既存の関連記事にリンクを1本追加してもらう。1本およそ100ドルで打診
- リンク先:最初の数か月はすべてトップページへ。その後はトップ3本、カテゴリーページ2本、ブログ記事2本に分ける
あわせて、ペナルティを避けるための注意も3つ挙げています。質の低いサイトからリンクを受けないこと、カテゴリーページにばかりリンクを集めないこと(本人いわく「必ずペナルティを受ける」)、同じアンカーテキストを繰り返さないこと。アンカーテキストは半分をブランド名、半分をキーワードを含む言い方にして、キーワードを含むほうも毎回表現を変えていたそうです。DRの見方はDRとドメインパワーの解説記事にまとめています。
1本100ドルでリンクを入れてもらうのはGoogleのルール違反
ここだけは、そのまま真似しないでください。Googleのスパムに関するポリシーは、順位を上げる目的でリンクを売買することを「リンクスパム」として禁止しています。お金を払って記事にリンクを入れてもらう方法はこれにそのまま当てはまり、見つかると手動による対策で順位を失うおそれがあります。
お金や商品を渡してリンクを得る場合は、リンクに rel="sponsored" を付けてもらう決まりです。この場合、リンクによる順位の押し上げは期待できません。ブロガーへの紹介依頼を広告として使う考え方はブロガーへの紹介依頼をPRに活用する方法で詳しく書きました。
ルールの範囲内で被リンクを得る方法
| 方法 | やり方 | 難しさ |
|---|---|---|
| 取引先・関係先からの紹介 | 仕入先、工房、卸先、コラボ先の「取扱店」「パートナー」ページに載せてもらう | 低 |
| リンク切れの回収 | 他サイトが自社の旧URLにリンクしていれば、301リダイレクトで生かす | 低 |
| 商品レビューの依頼 | 関連ジャンルのブロガーに商品を提供してレビューしてもらう(リンクはsponsored、目的は紹介経由の売上と認知) | 低 |
| 取材・メディア掲載 | プレスリリース配信、業界メディアや地域メディアへの情報提供 | 中 |
| 引用される情報を作る | 独自のアンケート調査、素材の比較表、お手入れガイドなど | 中 |
他サイトのリンク切れを見つけて自社のページを紹介してもらう方法は、リンク切れを見つけて被リンクを増やす方法で手順とメール例文を載せています。リンク先をトップ・カテゴリー・ブログに分ける配分と、アンカーテキストを散らす考え方は、どの方法で得たリンクでもそのまま使えます。
初心者が進める順番(月ごとの目安)
5つのステップを自社でなぞるときの順番です。Excelの「6_成果と進め方」シートに同じ表があり、状況を記録できます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1か月目 | Search Consoleを登録し、サイトマップを送信する |
| 1か月目 | Screaming Frogで点検し、12項目だけ直す |
| 1か月目 | 売りたい商品ラインを決め、キーワードを10〜20個に絞る |
| 1か月目 | 各キーワードを検索し、上位ページの種類を記録する |
| 2か月目 | 必要なカテゴリーページを作り、メインメニューに追加する |
| 2か月目 | 各カテゴリーページのタイトル・H1・URL・説明文を整える |
| 2か月目 | トップページのタイトルと説明文に大きいキーワードを入れる |
| 2か月目〜 | 知りたい系のブログを月2〜3本書き、カテゴリーへリンクする |
| 3か月目〜 | ルールの範囲内の方法で被リンク獲得を始める |
| 毎月 | Search Consoleで順位と表示回数、カートの売上を確認する |
毎月の確認では、アクセス数より「狙ったカテゴリーページの順位」と「自然検索経由の売上」を見ます。ステップ2で決めたキーワードが10〜20個なら、表にして毎月の順位を並べるだけで十分です。
真似する前に知っておきたいこと
数字は1社の事例
月11万ドルという数字は投稿者が担当した1ブランドの結果で、同じ成果が出る保証はありません。ジュエリーは単価が高く、上位を取ったときの売上の伸びが大きいジャンルです。単価の低い商品では、同じ順位でも売上の伸び方は小さくなります。
日本のECでもそのまま使える部分
「上位ページの種類に合わせてカテゴリーページを作る」「メニューに入れる」「ブログからカテゴリーへリンクする」「リンク先を1か所に偏らせない」という設計は、日本のECでもそのまま使えます。Shopifyに限らず、makeshopやBASE、WordPressのECでも考え方は同じです。
日本語キーワードは自分で調べ直す
英語の「24k gold bracelet」と日本語の「24金 ブレスレット」では、検索する人も上位のページも違います。この記事の日本語の例はあくまで見分け方の目安なので、自社の商品のキーワードは必ず自分で検索して、上位10件の種類を確かめてください。
まとめ
この記事のポイント
- 狙うのは買う人が検索するキーワードだけ。ゴールはアクセス数ではなく売上。
- テクニカルSEOは順位に響く12項目だけ直す。Shopifyなら手を入れる所は少ない。
- キーワードごとに上位10件の種類を確認し、同じ種類のページを当てる。作ったカテゴリーページはメニューに入れる。
- カテゴリーページはタイトル・H1・URL・一覧下の説明文の4か所を整える。
- ブログはカテゴリーページへリンクを送るために、商品に直結する疑問で月2〜3本書く。
- 被リンクはトップ・カテゴリー・ブログに分けて得る。お金でリンクを買う方法はGoogleのルール違反なので使わない。
5つのステップを並べると当たり前に見えますが、この事例で効いているのは、全部の作業が「カテゴリーページを上げる」という1つの目的に向いていることだと思います。ブログも被リンクもメニューも、そのための道具として使われています。
この記事の内容をまとめたExcel(用語集・12項目チェック表・キーワードのワークシート・ブログのネタ出し表・月ごとの進行表など8シート)はこちらからダウンロードできます。
それではまた次回のメルマガで!