Googleアプリキャンペーンの仕様とフォーマット要件 完全ガイド

「アプリキャンペーンの広告見出しは何文字まで?」「画像のサイズや最大枚数は?」「動画は何秒で何本?」——アプリのインストールやアプリ内アクションを伸ばすGoogleアプリキャンペーン(旧UAC/App Campaign)は、アセットを入稿するとGoogleが広告を自動生成する独特の仕組みです。本記事では、テキスト・画像・動画の正確な仕様(文字数・px・容量・本数)から、入札戦略、iOS(SKAdNetwork)とAndroidの違い、ディープリンク、アセット評価まで、運用代理店の現場目線で13,000字超にわたり徹底的に解説します。

00 はじめに

スマートフォンアプリを世に出したあと、誰もがぶつかる壁が「どうやってインストールしてもらうか」です。App StoreやGoogle Playに並べただけでは、よほどの話題作でない限り、ダウンロードは伸びません。そこで多くの企業が使うのが、Googleのアプリキャンペーン(App Campaign)です。かつて「UAC(Universal App Campaigns=ユニバーサルアプリキャンペーン)」と呼ばれていたもので、Google検索・Google Play・YouTube・Discover・ディスプレイネットワーク(GDN)という、Googleが持つ巨大な配信面すべてに、1つのキャンペーンから横断的にアプリ広告を届けられる仕組みです。

ところがこのアプリキャンペーン、検索広告やディスプレイ広告に慣れた人ほど戸惑います。なぜなら、従来のように「広告を1本ずつ作る」のではなく、テキスト・画像・動画といった"アセット(素材)"を入稿し、その組み合わせをGoogleの機械学習が自動で生成・配信するからです。広告グループ単位でクリエイティブを細かく制御する、という発想がそもそも通用しません。だからこそ、運用者がコントロールできる数少ない要素——アセットの「質」と「量」、そしてそれが満たすべき仕様(フォーマット要件)を、正確に理解することが決定的に重要になります。

本記事では、次のことを順番に、かつ徹底的に解説します。

  • アプリキャンペーンの仕組みと配信面——旧UACから何が変わり、どこに広告が出るのか。
  • テキストアセットの正確な文字数——広告見出しは最大半角30文字(全角15文字)、説明文は最大半角90文字(全角45文字)。個数の上限と推奨。
  • 画像アセットの仕様——横向き1.91:1/縦向き4:5/スクエア1:1の推奨サイズ・最小サイズ・最大枚数・容量(5MB)。
  • 動画アセットの仕様——10〜60秒・最大20本・YouTubeアップロード必須という独特の要件。
  • 入札と最適化——tCPI/tROAS/アプリ内アクション最適化、iOS(SKAdNetwork)とAndroidの違い、ディープリンク、アセット評価まで。

「とりあえず素材を入れたら配信が始まったが、成果が伸びない」というアプリキャンペーンの多くは、仕様の理解不足によるアセット不足が原因です。まずは全体像から押さえていきましょう。なお、各キャンペーンタイプのアセット仕様を横断的にまとめた Google広告のフォーマット・入稿規定 完全ガイド も、本記事と併せて読むと理解が深まります。

01 アプリキャンペーンとは?旧UACからの仕組みと配信面

アプリキャンペーンは、その名のとおり「アプリの宣伝」に特化したGoogle広告のキャンペーンタイプです。目的は大きく分けて2つ——アプリの「新規インストールを増やす」ことと、すでにインストールしたユーザーに「アプリ内で特定の行動(課金・登録・継続利用など)をしてもらう」ことです。前者をインストール獲得、後者をアプリ内アクション獲得(エンゲージメント)と呼びます。

UAC(ユニバーサルアプリキャンペーン)からの変遷

もともとこの仕組みはUAC(Universal App Campaigns)という名前でした。2019年前後に「アプリキャンペーン(App Campaigns)」へと名称・体系が整理され、現在の形になっています。中身の思想は一貫していて、「運用者がアセットと目標を与えれば、Googleの機械学習がGoogleの全配信面に最適配信する」というものです。今でも現場では「UAC」という旧称が使われることがありますが、指しているものは同じだと考えて差し支えありません。

どこに広告が出るのか|5つの配信面を横断する

アプリキャンペーン最大の特徴は、1つのキャンペーンでGoogleの主要配信面すべてを横断することです。具体的には次の面に、フォーマットを自動で変えながら配信されます。

配信面どんな見え方をするか
Google検索「○○ アプリ」などの検索結果上部に、テキスト主体のアプリ広告として表示。
Google Playストア内の検索結果やおすすめ枠に表示。インストール直前のユーザーに届く強力な面。
YouTube動画前後・途中、フィードなどに動画アセットを使って表示。
DiscoverGoogleアプリやスマホのホーム横のフィードに、画像・テキストで表示。
ディスプレイネットワーク(GDN)提携サイト・他アプリの広告枠に、バナーやネイティブ広告として表示。

この「横断性」こそがアプリキャンペーンの強みです。検索広告だけ、ディスプレイ広告だけ、と面を限定せず、アプリを必要としていそうなユーザーがどの面にいても捕まえにいける。だからこそ、どの面に出しても破綻しないよう、多様な比率・多様なメッセージのアセットを揃えておくことが、成果に直結するのです。

この章の要点:アプリキャンペーン(旧UAC)は、アプリのインストール/アプリ内アクションを目的に、Google検索・Google Play・YouTube・Discover・ディスプレイの5つの配信面を1つのキャンペーンで横断する。運用者は「面ごとの広告」を作るのではなく、面に合わせて自動変形する「アセット」を入稿する。

02 「アセットを入稿する」という独特の構造を理解する

検索広告やディスプレイ広告では、「広告グループ」の中に「広告」を1本ずつ作っていきます。しかしアプリキャンペーンは、この発想が通用しません。ここを理解しないまま管理画面を開くと、必ず迷子になります。

運用者は「広告」ではなく「アセット」を入れる

アプリキャンペーンで運用者が入稿するのは、完成された「広告」ではなく、広告の部品(アセット)です。具体的には、テキスト(広告見出し・説明文)、画像、動画、そして場合によってはHTML5などを、それぞれ複数まとめて入稿します。すると、Googleの機械学習が「この配信面には、このテキストとこの画像を組み合わせて出すのが良さそうだ」と判断し、広告を自動で組み立てて配信します。

📢 アプリキャンペーン(目的:インストール/アプリ内アクション)
  ├─ 📝 テキストアセット … 広告見出し(最大5)/説明文(最大5)
  ├─ 🖼 画像アセット … 横1.91:1/縦4:5/スクエア1:1(各最大20枚)
  ├─ 🎬 動画アセット … 16:9/9:16/1:1(最大20本・YouTube)
  └─ 🤖 Googleの機械学習が配信面ごとに広告を自動生成・最適化

つまり、運用者が「この広告をこの面に出す」と細かく指定することはできません。代わりに運用者が握れるのは、①入札・予算・地域などのキャンペーン設定、②入稿するアセットの質と量の2つです。アセットの幅が狭いと、機械学習が試せる組み合わせが少なくなり、配信面を埋めきれず、成果が頭打ちになります。逆に、良質なアセットを多様に揃えるほど、機械学習は「面ごとの勝ちパターン」を見つけやすくなります。

「アセットを揃える」ことが運用の主戦場

この構造は、運用の力点が大きく変わることを意味します。検索広告なら「キーワードと入札」が主戦場ですが、アプリキャンペーンでは「いかに良質で多様なアセットを、仕様どおりに、十分な数だけ揃えるか」が主戦場になります。だからこそ、本記事の本題である「フォーマット要件(仕様)」を正確に押さえることが、そのまま成果を左右します。文字数を1文字オーバーして入稿できなかったり、特定比率の画像が欠けていて配信面を取りこぼしたり——そうした小さな不備の積み重ねが、アプリキャンペーンでは致命傷になりやすいのです。

なお、この「アセットを束ねて機械が広告を生成する」という思想は、P-MAX(パフォーマンス最大化)やデマンドジェネレーション、レスポンシブ広告と共通しています。1つ理解すれば横展開が効くので、構造の発想として押さえておくと、他のキャンペーンタイプにも応用が効きます。アカウント全体の階層設計の考え方は キャンペーン・広告グループの組み方 も参考にしてください。

この章の本質:アプリキャンペーンは「広告を作る」のではなく「アセットを入稿し、Googleに広告を組み立ててもらう」キャンペーン。運用者が握れるのは入札・予算・地域とアセットの質量だけ。だから、仕様を満たした多様なアセットをどれだけ揃えられるかが、成果の分かれ目になる。

03 テキストアセットの仕様|広告見出し・説明文の文字数

ここから、各アセットの具体的な仕様に入ります。まずは、すべての配信面で使われる必須アセット「テキスト」からです。テキストには「広告見出し(ヘッドライン)」と「説明文(ディスクリプション)」の2種類があります。

まず大原則|半角=全角の2倍でカウントされる

文字数の話に入る前に、日本語運用者が絶対に押さえるべき前提があります。Google広告の文字数は「半角換算」でカウントされ、全角文字(日本語のひらがな・カタカナ・漢字・全角記号)は半角2文字分を消費するという点です。つまり「最大半角30文字」と書かれていれば、日本語(全角)では15文字までしか入りません。英数字や半角記号は1文字=半角1文字としてカウントされます。この「半角=全角の2倍」を頭に入れておかないと、文字数の見積もりが常に倍ずれます。

広告見出し(ヘッドライン)の仕様

広告見出しは、ユーザーの目に最初に飛び込む短いキャッチコピーです。アプリ名や一番の強み、行動を促す言葉などを入れます。

項目仕様
最大文字数半角30文字(全角15文字)
登録できる個数1〜5個
推奨個数5個(上限まで埋めるのが推奨)
必須/任意必須(最低1個)

全角15文字は、思っているより短い枠です。たとえば「最短2分で予約完了アプリ」で12文字、「初回限定クーポン配布中です」で13文字といった具合に、言いたいことを1つに絞り込む必要があります。複数の見出しを用意するときは、同じことを言い換えるのではなく、訴求の角度を変えるのがコツです。「便利さ」「お得さ」「実績・信頼」「限定性」など、別々の切り口の見出しを5個揃えておけば、機械学習が面・ユーザーごとに最適な1本を選んで配信できます。

説明文(ディスクリプション)の仕様

説明文は、見出しを補足する1〜2文の説明です。見出しで引いたユーザーに、もう一歩踏み込んだ理由づけを与えます。

項目仕様
最大文字数半角90文字(全角45文字)
登録できる個数1〜5個
推奨個数5個(上限まで埋めるのが推奨)
必須/任意必須(最低1個)

説明文は全角45文字なので、見出しよりはまとまった情報を入れられます。とはいえ詰め込みすぎは禁物で、1つの説明文に1つのメッセージを置くのが基本です。見出しと同様、5個の枠は「言い換え」ではなく「異なる訴求」で埋めます。機能の説明、利用シーン、社会的証明(ダウンロード数や評価)、キャンペーン情報など、角度を散らしておくほど機械学習の選択肢が広がります。

✕ よくある失敗

見出し・説明文を最低限の1〜2個しか入れず、配信を始めてしまう。アセットが少ないと機械学習は試せる組み合わせが乏しく、配信面を埋めきれません。さらに、似たような言い回しを5個並べてしまうのも失敗です。「最大5個・全部使う・訴求の角度を変える」が鉄則です。

○ 正しい揃え方

見出し5個・説明文5個を上限まで用意し、それぞれ「便利さ/お得さ/実績/限定性/利用シーン」のように訴求軸を散らす。全角の文字数(見出し15文字・説明文45文字)を意識して、言い切り型で簡潔にまとめる。これだけで、機械学習が選べる広告のパターンが一気に増えます。

04 画像アセットの仕様|比率・推奨サイズ・最小サイズ・最大枚数

画像アセットは、Discoverやディスプレイ、Google Playなど、ビジュアルが効く面で活躍します。アプリキャンペーンでは画像は任意(必須ではない)ですが、配信面を広く取りこぼさないために、各比率を最低1枚ずつは入稿するのが強く推奨されます。比率は「横向き」「縦向き」「スクエア」の3種類です。

共通の形式・容量ルール

  • ファイル形式:.jpg または .png
  • ファイルサイズ上限:1枚あたり最大 5MB
  • 必須/任意:任意(ただし各比率1枚以上の入稿を推奨)

3つの比率|推奨サイズ・最小サイズ・最大枚数

各比率の数値を正確にまとめると、次のとおりです。アプリキャンペーンの画像入稿で最も重要な表なので、入稿前に必ず照合してください。

比率向き推奨サイズ最小サイズ最大枚数
1.91:1横向き(ランドスケープ)1,200 × 628 px600 × 314 px20枚
4:5縦向き(ポートレート)1,200 × 1,500 px320 × 400 px20枚
1:1スクエア(正方形)1,200 × 1,200 px200 × 200 px20枚

3比率それぞれ最大20枚、つまり画像だけで最大60枚まで入稿できます。もちろん60枚すべてを埋める必要はありませんが、「3比率を欠けさせない」ことが何より大切です。たとえば横向き画像しか用意していないと、縦長レイアウトの面(縦型のフィードやストア面など)で画像が使えず、テキストやGoogle自動生成に頼ることになり、配信の幅が狭まります。少数精鋭でいくにしても、まずは各比率1〜数枚ずつをバランスよく揃えるのが定石です。

クリエイティブ面での注意点

サイズ要件を満たすだけでなく、画像そのものの作り方にもコツがあります。アプリキャンペーンの画像は様々な面・様々なサイズに自動でトリミング・配置されるため、重要な要素(ロゴ・キャッチ・主役)は中央寄りに置き、端ギリギリには配置しないのが安全です。また、画像内に文字を入れすぎると視認性が落ちたり審査で不利になったりすることがあるため、テキストは別途テキストアセットに任せ、画像はビジュアルで魅せる、という役割分担を意識すると失敗が減ります。最小サイズはあくまで「下限」であり、画質が荒く見えないよう、できるだけ推奨サイズ(横1,200×628/縦1,200×1,500/スクエア1,200×1,200)で用意するのが望ましいです。

この章の要点:画像は.jpg/.png・最大5MB。横1.91:1(推奨1,200×628・最小600×314)、縦4:5(推奨1,200×1,500・最小320×400)、スクエア1:1(推奨1,200×1,200・最小200×200)の3比率を、それぞれ最大20枚まで。画像は任意だが、3比率を欠けさせず推奨サイズで揃えることが、配信面を取りこぼさない鍵。

05 動画アセットの仕様|長さ・比率・本数・YouTube必須

動画アセットは任意ですが、YouTubeという巨大配信面を取りにいくうえで欠かせない素材です。動画を入稿すると、YouTube面での配信が本格化し、面の幅も成果の上限も大きく広がります。逆に動画を1本も入れないと、Googleがテキストや画像から自動生成した動画が配信に使われることがあり、品質を運用者がコントロールしきれません。可能な限り、自前の動画を用意したいところです。

動画アセットの基本仕様

項目仕様
長さ(尺)各10〜60秒
最大本数20本
対応する比率横向き 16:9 / 縦向き 9:16 / スクエア 1:1
入稿方法YouTubeへのアップロードが必須(URLで指定)
必須/任意任意(ただし入稿を強く推奨)

最重要|動画は「YouTubeにアップロード」してから指定する

アプリキャンペーンの動画でつまずきやすいのが、入稿方法です。画像のように動画ファイルを直接アップロードするのではなく、あらかじめ動画をYouTubeにアップロードしておき、そのURL(または選択)で指定する必要があります。つまり、自社または運用代理店のYouTubeチャンネルが事前に必要になるということです。限定公開(リンクを知っている人のみ)でも配信に使えますが、非公開だと使えないため、公開設定の取り扱いには注意します。動画の準備を「ファイルさえあればOK」と考えていると、入稿直前にYouTubeチャンネルがなくて止まる、というのはよくあるトラブルです。

比率は3つとも用意するのが理想

動画も画像と同じく、横向き16:9・縦向き9:16・スクエア1:1の3比率があります。YouTubeのインストリーム(横長)、ショート/フィード(縦長)、各種ネイティブ枠(スクエア)と、面によって最適な向きが異なるため、3比率を揃えておくほど配信面を広く取れます。尺は10〜60秒の範囲で、面によって短尺が好まれることも長尺が活きることもあるため、短尺と中尺を混ぜて複数本用意できると理想的です。最大20本という枠は大きいので、最初から20本を目指す必要はありませんが、各比率1本ずつ+訴求違いを数本、というところから始めると堅実です。

○ 動画アセットのベストプラクティス

①YouTubeチャンネルを先に用意し、限定公開以上で動画をアップロードしておく。②横16:9/縦9:16/スクエア1:1の3比率を揃える。③10〜60秒の範囲で、短尺・中尺を混ぜる。④冒頭2〜3秒でアプリ名と価値を伝え、最後にインストールを促す。これでYouTube面を取りこぼさず、機械学習に十分な動画の選択肢を渡せます。

06 アセット要件の早見表とよくある入稿ミス

ここまでのテキスト・画像・動画の仕様を、1枚の早見表に統合します。入稿前のチェックリストとして使ってください。アプリキャンペーンは仕様の取りこぼしがそのまま配信機会の損失になるため、この表との照合を習慣にすることをおすすめします。

アプリキャンペーン アセット仕様 早見表

アセット種別仕様・サイズ個数/枚数/本数必須/任意
広告見出し最大 半角30文字(全角15文字)1〜5個(推奨5)必須
説明文最大 半角90文字(全角45文字)1〜5個(推奨5)必須
画像 横向き 1.91:1推奨1,200×628px/最小600×314px/.jpg・.png/最大5MB最大20枚任意(推奨)
画像 縦向き 4:5推奨1,200×1,500px/最小320×400px/.jpg・.png/最大5MB最大20枚任意(推奨)
画像 スクエア 1:1推奨1,200×1,200px/最小200×200px/.jpg・.png/最大5MB最大20枚任意(推奨)
動画 横16:9 / 縦9:16 / 1:1各10〜60秒/YouTubeアップロード必須最大20本任意(推奨)

よくある入稿ミス トップ5

  • 文字数を半角換算で見誤る:「30文字入る」と思って全角30文字を入れようとし、はじかれる。見出しは全角15文字、説明文は全角45文字が上限です。
  • テキストを最低限しか入れない:見出し・説明文を1〜2個で済ませてしまい、機械学習の選択肢を狭める。最大5個ずつ、訴求を散らして埋めるのが正解です。
  • 画像の比率が欠けている:横向きだけ、スクエアだけ、など特定比率しか用意せず、出せない面が生まれる。横1.91:1・縦4:5・スクエア1:1の3比率を揃えます。
  • 動画をYouTubeに上げていない:動画ファイルは持っているがYouTubeチャンネルがなく入稿できない。動画はYouTubeアップロードが前提です。
  • 容量・形式オーバー:画像が5MBを超える、.gifなど非対応形式で用意してしまう。.jpg/.png・5MB以内に収めます。

この章の本質:必須はテキスト(見出し・説明文)だけ。画像・動画は任意だが、揃えるほど配信面と成果の上限が広がる。文字数の半角換算、画像3比率の網羅、動画のYouTube前提——この3点を毎回チェックすれば、入稿ミスによる機会損失はほぼ防げる。

07 入札戦略|tCPI・tROAS・アプリ内アクション最適化

アセットが整ったら、次は「何を目標に、いくらで獲りにいくか」——入札戦略です。アプリキャンペーンの入札は、アプリならではの目標に合わせて設計されており、大きく「インストールを獲る」「アプリ内アクションを獲る」「収益(ROAS)で最適化する」の3系統があります。

3つの最適化目標と入札

最適化の目的入札戦略何を目標値にするか
インストール数を増やす目標インストール単価(tCPI1インストールあたりいくらまで払うか(目標CPI)。とにかく数を取りたい立ち上げ期に。
アプリ内アクションを増やすアプリ内アクション最適化(目標CPA)会員登録・購入・チュートリアル完了など、価値ある行動1件あたりの単価。質の高いユーザーを取りたい時に。
収益(売上)で最適化する目標広告費用対効果(tROAS広告費に対する売上の比率。課金が発生するアプリで、回収効率を最大化したい時に。

段階としては、まずtCPI(目標インストール単価)でインストールの母数を作り、ユーザーが溜まってデータが貯まってきたらアプリ内アクション最適化(目標CPA)やtROASへ移行して質・収益を高める、という流れが王道です。最初から「課金最適化(tROAS)」で攻めると、データが薄く学習が回りきらないことがあるため、目的とデータ量に応じて段階的に切り替えるのが現実的です。

計測の土台|コンバージョン計測がすべての前提

これらの自動入札は、すべて「コンバージョン(インストール・アプリ内アクション)が正しく計測できている」ことが大前提です。計測には、Google Play連携やSDK(Firebase/Google アナリティクス)、あるいはサードパーティのMMP(モバイル計測パートナー:Adjust、AppsFlyerなど)を用います。計測が欠けていたり、アプリ内アクションの定義が曖昧だったりすると、機械学習は「何を成果とみなせばいいか」がわからず、入札最適化が空回りします。アプリキャンペーンの成否は、配信を始める前の計測設計でほぼ決まる、と言っても過言ではありません。収益から逆算した目標設計の考え方は ROAS改善の基本 も参考になります。

この章の要点:入札はtCPI(インストール単価)/アプリ内アクション最適化(CPA)/tROAS(費用対効果)の3系統。立ち上げはtCPIで母数を作り、データが溜まったらCPA・tROASへ移行して質と収益を高めるのが王道。すべての前提は、Firebaseやサードパーティ計測(MMP)による正確なコンバージョン計測。

08 iOS(SKAdNetwork)とAndroidの違い・ディープリンク

アプリキャンペーンを語るうえで避けて通れないのが、iOSとAndroidで計測・配信の事情が大きく異なるという点です。同じアプリでも、OSによって「できること」「見える数字」が変わるため、ここを理解していないと、結果の解釈を誤ります。

iOS|SKAdNetwork(SKAN)による計測の制約

Appleはプライバシー保護(ATT:App Tracking Transparency)を強化しており、ユーザー個人を追跡する形での詳細計測が制限されています。その代わりに用意されているのが、Apple公式の計測フレームワークSKAdNetwork(SKAN)です。SKANは個人を特定しない形で「どのキャンペーンがインストールに寄与したか」を集計しますが、特徴的な制約があります。

  • 計測が集計的・限定的:ユーザー単位ではなく集計値として返るため、細かいユーザー軸の分析がしづらい。
  • レポートに遅延がある:成果が即時に反映されず、タイムラグが生じる。
  • 取得できる情報が限定的:取得できる成果シグナルの数や粒度に上限があり、設計を工夫する必要がある。

つまりiOSでは、Androidのようにリアルタイムかつ詳細にユーザーを追えるわけではありません。アプリキャンペーンもこのSKANの枠組みに沿って動くため、iOSの成果は「集計的・遅延あり」で見るという前提を持つことが重要です。数字の出方がAndroidと違っても、それは不具合ではなくOSの仕様によるものだ、と理解しておく必要があります。

Android|相対的に柔軟な計測

一方Androidは、Google Playとの連携やFirebase等を通じて、iOSに比べて相対的に詳細でリアルタイムに近い計測がしやすい環境です。アプリ内アクションの最適化やtROASも、データが取りやすいぶん学習が回りやすい傾向にあります。そのため、同じアプリでもiOSとAndroidはキャンペーンを分けて運用し、それぞれのOS事情に合わせて目標・期待値を設定するのが定石です。両者を1つのキャンペーンに混ぜると、計測精度も最適な目標値も異なるため、評価がしづらくなります。

ディープリンク|「インストールの先」へつなぐ

もう一つ重要なのがディープリンクです。ディープリンクとは、広告をタップしたユーザーを、アプリの「トップ」ではなく特定の画面(商品詳細・キャンペーンページ・登録フォームなど)に直接遷移させる仕組みです。とくに、すでにアプリを入れているユーザーへの再訴求(アプリ内アクションの促進)では、ディープリンクで「見せたい画面」に直接運べるかどうかが、コンバージョン率を大きく左右します。

ディープリンクを正しく設定しておけば、「広告で訴求した商品 → タップ → その商品ページがアプリ内で開く」という滑らかな導線が作れます。逆に設定がないと、ユーザーはアプリのトップに着地して目的の画面を自分で探すことになり、離脱が増えます。インストール獲得だけでなく「インストール後の行動」まで成果に含めるなら、ディープリンクの設計は必須級だと考えてください。

この章の本質:iOSはSKAdNetworkにより計測が集計的・遅延あり・限定的。Androidは相対的に詳細でリアルタイムに近い。だからiOSとAndroidはキャンペーンを分け、OSごとに期待値を持つ。さらにディープリンクで「インストールの先」へ滑らかにつなぐことで、アプリ内アクションまで成果を伸ばせる。

09 アセット評価(学習中/良好/最良)を使い倒す

アプリキャンペーンには、入稿したアセット1つひとつに対してGoogleが下す「アセット評価(アセットのパフォーマンス)」という指標があります。これを読み解き、改善サイクルに組み込めるかどうかで、運用の伸びしろが大きく変わります。

評価ラベルの意味

評価ラベル意味運用上の解釈
学習中まだ十分なデータが集まっておらず、評価が確定していない状態。判断は保留。配信量・期間を確保してデータが溜まるのを待つ。
良好同種の他アセットと比べて、平均的に機能しているアセット。基本的に維持。無理に外さず、最良を増やす材料にする。
最良同種の他アセットの中で、特に高いパフォーマンスを示しているアセット。勝ち筋。なぜ効いたかを分析し、似た方向で新規アセットを増産する。

ここで注意したいのは、評価が「同じ種類のアセット同士の相対評価」である点です。たとえば横向き画像は横向き画像の中で、見出しは見出しの中で比較されます。また、評価を確定させるには一定のデータ量が必要なので、入稿してすぐは多くが「学習中」になります。慌てて「学習中」のアセットを差し替えると、評価が確定する前に判断材料を失うことになります。

評価を活かす改善サイクル

アセット評価を使った運用の基本サイクルは、シンプルです。

  • ① 学習中は待つ:データが溜まるまで判断を急がない。最低限の配信量を確保する。
  • ② 最良を分析する:「最良」と評価されたアセットの共通点(訴求・色・尺・構図)を言語化する。
  • ③ 勝ち筋を増産する:最良の方向性に寄せた新規アセットを作って追加する。
  • ④ 弱いアセットを入れ替える:十分なデータがあるのに評価が伸びないアセットを、新しい候補と差し替える。

大切なのは、「アセットを入れて終わり」にしないことです。アプリキャンペーンは運用者が広告の組み合わせを直接いじれないぶん、評価を手がかりに「良いアセットを足し、弱いアセットを引く」という新陳代謝を回すことが、ほぼ唯一にして最大の改善手段になります。ここで弊社のように、コトラーの理論に沿って「誰に・どんな価値を」というペルソナと訴求の設計から逆算してアセットを作っていると、「最良」が生まれる確率も、その理由を次に活かす精度も大きく上がります。アセット評価は、感覚ではなく設計でクリエイティブを回すための羅針盤なのです。

この章の要点:アセット評価(学習中/良好/最良)は同種アセット内の相対評価。「学習中は待つ→最良を分析→勝ち筋を増産→弱いアセットを差し替える」というアセットの新陳代謝こそが、広告を直接いじれないアプリキャンペーンにおける最大の改善レバー。

10 まとめ

Googleアプリキャンペーン(旧UAC/App Campaign)の仕様とフォーマット要件について、長くなりましたが、本質と数値は次のとおりに集約されます。

  • 仕組み:Google検索・Google Play・YouTube・Discover・ディスプレイの5面を横断。広告を作るのではなく「アセット」を入稿し、機械学習が広告を自動生成・最適化する。
  • テキスト(必須):広告見出しは最大半角30文字(全角15文字)、説明文は最大半角90文字(全角45文字)。いずれも1〜5個・推奨5個。半角=全角の2倍でカウント。
  • 画像(任意・推奨):.jpg/.png・最大5MB。横1.91:1(推奨1,200×628・最小600×314)/縦4:5(推奨1,200×1,500・最小320×400)/スクエア1:1(推奨1,200×1,200・最小200×200)、各最大20枚。3比率を欠けさせない。
  • 動画(任意・推奨):各10〜60秒・最大20本、横16:9/縦9:16/スクエア1:1。YouTubeへのアップロードが必須。
  • 入札:tCPI→アプリ内アクション最適化(CPA)→tROASへ段階移行。すべての前提は正確なコンバージョン計測。
  • OS差・導線:iOSはSKAdNetworkで集計的・遅延あり、Androidは相対的に詳細。OSでキャンペーンを分け、ディープリンクで「インストールの先」へつなぐ。
  • 改善:アセット評価(学習中/良好/最良)を手がかりに、勝ち筋を増産し弱いアセットを差し替える新陳代謝が最大のレバー。

アプリキャンペーンは、運用者が広告そのものを細かくいじれない代わりに、「仕様どおりに、良質で多様なアセットを十分に揃えられるか」で勝負が決まります。文字数を半角換算で正確に収め、画像3比率を欠けさせず、動画をYouTubeで用意し、計測とディープリンクを整え、評価を見て新陳代謝を回す——。一つひとつは地味ですが、この積み重ねこそが、機械学習に実力を発揮させる土台になります。

そして、その土台の上に「誰に・どんな価値を届けるか」というペルソナと訴求の設計を乗せられるかどうかが、最後の差を生みます。私たち「でもやるんだよ」(零株式会社)は、コトラーのマーケティング理論に基づくペルソナ設計から、仕様を満たしたアセット制作、計測設計、アセット評価に基づく改善運用までを一気通貫でお手伝いしています。アプリの集客にお悩みなら、ぜひ一度ご相談ください。

各キャンペーンタイプのアセット仕様は、ピラー記事 Google広告のフォーマット・入稿規定 完全ガイド に横断的にまとめています。動画は 動画キャンペーンの仕様、デマンドジェネレーションは デマンドジェネレーションの仕様、レスポンシブディスプレイは レスポンシブディスプレイ広告の仕様、P-MAXは P-MAXの仕様 も併せてご覧ください。各仕様の最新の一次情報は Google広告 公式ヘルプ でも確認できます。

11 よくある質問(FAQ)

Q. アプリキャンペーンの広告見出しと説明文は、何文字まで入りますか?

広告見出しは最大で半角30文字(全角15文字)、説明文は最大で半角90文字(全角45文字)です。日本語は全角でカウントされ半角の2倍を消費するため、見出しは全角15文字、説明文は全角45文字が実質の上限です。見出し・説明文ともに1〜5個まで登録でき、推奨は5個ずつ、最低でも各1個が必須です。枠は「言い換え」ではなく「異なる訴求」で埋めましょう。

Q. 画像の推奨サイズ・最小サイズ・最大枚数を教えてください。

画像は.jpg/.png・1枚最大5MBで、比率は3種類です。横向き1.91:1は推奨1,200×628px(最小600×314px)、縦向き4:5は推奨1,200×1,500px(最小320×400px)、スクエア1:1は推奨1,200×1,200px(最小200×200px)。いずれも比率ごとに最大20枚まで登録できます。画像は任意ですが、配信面を取りこぼさないよう各比率を最低1枚は用意し、できるだけ推奨サイズで作るのが望ましいです。

Q. 動画は必須ですか?何秒・何本まで使えますか?

動画は任意ですが、YouTube面を取りにいくために強く推奨されます。長さは各10〜60秒、最大20本まで、横16:9・縦9:16・スクエア1:1の各比率に対応します。動画はファイルを直接アップロードするのではなく、あらかじめYouTubeにアップロードしておき、そのURLで指定します(YouTubeチャンネルが必要)。動画を入れない場合、Googleが画像やテキストから自動生成した動画が配信に使われることがあります。

Q. tCPIとtROAS、アプリ内アクション最適化はどう使い分けますか?

立ち上げ期はtCPI(目標インストール単価)でインストールの母数を作るのが基本です。ユーザーとデータが溜まってきたら、会員登録や購入といった価値ある行動を狙うアプリ内アクション最適化(目標CPA)へ、課金型アプリで回収効率を最大化したいならtROAS(目標広告費用対効果)へと段階的に移行します。いずれもFirebaseやサードパーティ計測(MMP)による正確なコンバージョン計測が前提です。

Q. iOSとAndroidで成果の出方が違うのはなぜですか?

iOSはAppleのSKAdNetwork(SKAN)により計測が集計的・遅延あり・限定的になるためです。ユーザー単位の詳細追跡が制限され、レポートにもタイムラグが生じます。一方Androidは相対的に詳細でリアルタイムに近い計測がしやすい環境です。これは不具合ではなくOSの仕様なので、iOSとAndroidはキャンペーンを分け、OSごとに期待値・目標値を設定するのが定石です。

Q. 自社でアプリキャンペーンを正しく組めるか不安です。

アプリキャンペーンは、仕様どおりのアセット準備・計測設計・OS別の運用・アセット評価に基づく改善と、押さえるべき勘所が多い領域です。とくに「ペルソナに沿った訴求でアセットを作り、評価を見ながら新陳代謝を回す」部分は経験がものを言います。判断に迷う場合は、私たちのような運用代理店に一度ご相談ください。でもやるんだよでは、コトラー理論に基づくペルソナ設計から、仕様を満たすアセット制作・計測・改善運用まで、無料でご相談を承っています。

アプリの集客、仕様の壁で止まっていませんか?

ペルソナ設計から、仕様を満たすアセット制作・計測設計・アセット評価に基づく改善運用まで。アプリキャンペーンの成果づくりを、でもやるんだよがお手伝いします。

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